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1991 年度 実績報告書

生活環境中化学物質によってもたらされる肝細胞内相対的低酸素状態に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03454205
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

高野 健人  東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (80126234)

研究分担者 仲田 和代  東京都医科歯科大学, 医学部, 助手
中村 桂子  東教医科歯科大学, 医学部, 助手 (00211433)
本橋 豊  東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (10174351)
キーワード潅流肝臓 / 酸化還元状態 / 細胞内呼吸 / 食品添加物 / 有機溶剤 / アルコ-ル / 非ステロイド系抗炎症剤 / 酸化型グリタチオン
研究概要

1、平成3年度はラット潅流肝臓実験系を確立した。外在性基質を供給せず、31℃,95%5%CO2で飽和させた潅流液により潅流を行うことにより、潅流肝臓は生理的、かつ、外在性の環境化学物質による肝細胞内低酸素状態を観察するうえで適切な状態を長時間保持した。従って、本実験系は機能する臓器における化学物質によってもたらされる細胞内の相対的な低酸素状態を評価するうえで優れた系であり、化学物質の複合影響を観察するのに適していると結論した。2、ethanol、flufenamic、acid、nitrite、styreneによる細胞内酸化還元状態および各影響観察を行った。i)ethanolにより肝細胞内は還元状態に傾き、投与されたethanolは酸化されずに蓄積している状態であることが推定された。ii)flufenamic acidにより、肝ミトコンドリア電子伝達系は脱共役状態にあることが示唆された。iii)肝カタラ-ゼのペルオキシダ-ゼ反応においてnitriteはnitrateに酸化されると共に電子供与を行うことが確認された。Vi)styreneによって肝細胞内は酸化状態に傾くことが明かとなった。3、ethanolと各化学物質(flufenamic acid、styrene、nitrite)の相互作用について評価した結果、i)flufenamic acidは、通常の服用量を想定した濃度において飲酒を想定した濃度のethanol代謝およびacetaldehyde代謝を抑制する、ii)ethanolが低濃度であってもstyreneの肝取り込み率、肝styreneglycol生成率を減少させる、iii)nitriteの代謝をethanolは抑制する、ことが明らかになった。4、ethanol急性投与によるラット総行動量抑制に時刻依存性が認められたことより血流量の日内変動による細胞内酸素レベルの変動や、ethanolに対する細胞膜の時間感受性の関与が考えられた。5、低酸素状態下で肝酸化型グルタチオンの放出を観察した結果、その低下が認められたことから、酸化型グルタチオンが影響評価に利用できることが明かとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 富田 和久,高野 健人: "非ステロイド系抗炎症剤(フルフェナム酸)服用者における飲酒を想定したエタノ-ル代謝動物実験" 日本公衆衛生雑誌. 38. 708 (1991)

  • [文献書誌] ナリ-ニィ-・スウィポ-ン,仲田 和代,本橋 豊,高野 健人: "ラット潅流肝臓におけるエタノ-ルによるスチレン代謝への影響について" 日本公衆衛生雑誌. 38. 947 (1991)

  • [文献書誌] 林 学,高野 健人: "飲酒を想定したアルコ-ル摂取が腸管における脂質の吸収ならびに代謝に及ぼす影響について" 日本公衆衛生雑誌. 38. 707 (1991)

  • [文献書誌] 本橋 豊,高野 健人,中村 桂子,仲田 和代: "急性大量飲酒のラット行動量リズムへの影響(第1報)リズム特性の変化" 日本衛生学雑誌. (1992)

  • [文献書誌] 本橋 豊,高野 健人,中村 桂子,仲田 和代: "急性大量飲酒のラット行動量リズムへの影響(第2報)コデインしの複合影響" 日本衛生学雑誌. (1992)

  • [文献書誌] K.Tomita,T.Takano,Y.Motohashi and K.Nakamura: "Interaction of an antiーinflammatory drug,flufenamic acid,with ethanol in rat." AACT/AAPCC/ABMT/CAPCC/Annual Scientific Meeting.Abstract87 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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