研究課題/領域番号 |
03454213
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
三澤 章吾 筑波大学, 社会医学系, 教授 (50086534)
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研究分担者 |
植田 信太郎 東京大学, 理学部, 助教授 (20143357)
鷲尾 慶子 筑波大学, 社会医学系, 助手 (60230942)
田中 栄之介 筑波大学, 社会医学系, 講師 (30138416)
原田 勝二 筑波大学, 社会医学系, 助教授 (60086618)
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キーワード | DNA多型 / PCR法 / ヒト特異的DNA / 人獣鑑別 / 個人識別 / ゲノム・サブトラクション / チンパンジ-・ゲノムDNA / サザン・ハイブリダイゼ-ション |
研究概要 |
本研究では、ヒト特異的な遺伝子領域を得るための手段として、ヒトのゲノムDNAから、ヒトに最も近縁な種であるチンパンジ-のゲノムDNAを差し引く、ゲノム・サブトラクションという手法を採用した。 このようにして得られたクロ-ンをプロ-ブに用いたゲノムDNAとのサザンハイブリダイゼ-ションにより、ヒトのみに一本のバンドが出現し、チンパンジ-には全く出現しない、すなわちヒト特異的DNA断片である可能性が高いと考えられる1クロ-ン(PER5)を検出した。このPER5は106塩基対のDNAであり、出現したバンドの大きさは、EcoRI消化時には3.7kb、Hind III消化時には3.3kbの大きさであった。 PER5を含むヒトとチンパンジ-のDNA領域の全塩基配列を決定した。その結果、5・側1070塩基対、および3・側415塩基対の計1485塩基については、計12個(<1%)の一塩基置換を除いて、ヒトにもチンパンジ-にも共通成分として存在していたが、その間の2282塩基対の領域はヒトのみに存在し、チンパンジ-には存在しないことが明らかになった。このようにして獲得されたヒト特異的DNA領域(HS5)をプロ-ブとして用い、ヒトtotalDNAとの間で、サザンハイブリダイゼ-ションを行なったところいずれも単一なバンドが検出された。 次に、複数のヒトtotalDNAサンプル(日本人を含む3大人種18人)について、EcoRI消化の例で、HS5プロ-ブを用いたサザンハイブリダイゼ-ションを行なったところ、すべての個体例において3.7kbの単一なバンドが出現した。 これまでの結果により、HS5の上流側約1kbの領域は、性差、人種差、個体差もなく、ヒトゲノム中にのみ特異的に存在していることが明らかとなった。
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