研究課題/領域番号 |
03454219
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
納 光弘 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10041435)
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研究分担者 |
出雲 周二 鹿児島大学, 医学部, 講師 (30143811)
野元 正弘 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (50208401)
丸山 征郎 鹿児島大学, 医学部, 教授 (20082282)
園田 俊郎 鹿児島大学, 医学部, 教授 (40036463)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | HAM / HAM / TSP / HTLV-I / レトロウイルス / HTLV-I associated myelopathy |
研究概要 |
平成2年度〜平成3年度の2年間にわたって行われた本研究はHAMに関する極めて重要な大きな成果をあげた。まず、一般住民におけるHTLV-I抗体保有者の調査では、離島の対象地域で2ヶ年連続検診を行い、384人の神経学的検査を行うとともに抗HTLV-I抗体を測定し36例(9.4%)で陽性であった。この検診の成功で今後長期にわたる縦断的調査の基礎が確立したといえよう。また、鹿児島大学第三内科の外来と入院の患者(HAMを含む)ならびにその家族の末梢血からリンパ球を分離し液体窒素中に保存する作業は計画以上に順調にはかどり、実に800人分にのぼった。 HAMの臨床像に関しては、自験HAM症例208名の臨床ならびに検査データをコンピューターに入力し、その解析を行い貴重な結果が得られ、髄液抗体が陰性のHAMが存在する可能性が浮かび上がってきた。また、HAMに種々の疾患が合併すること、それぞれの疾患の合併頻度を明らかにすることができた。HAMの剖検例における神経病理学的研究も5例で行われ、浸潤リンパ球のサブセットでCD8の重要性が明らかとなった。一方、末梢血中でもpXに対する細胞障害性T細胞の存在が見い出された。治療に関しては、10種類の治療法が見い出され、それらの組み合わせ治療の有効性が明らかとなった。プラズマフェレーシスの有効性の機序として活性型T細胞の除去のみられることが考えられた。わずか2ヶ年間の研究ではあったが、今後に明るい展望が開ける結果が得られたといえよう。
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