研究課題/領域番号 |
03454222
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研究機関 | (財)冲中記念成人病研究所 |
研究代表者 |
村勢 敏郎 (財)冲中記念成人病研究所, 主任研究員 (60107612)
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研究分担者 |
塚田 理康 (財)〓申記念成人病研究所, 主任研究員 (90072595)
関 顕 (財)〓中記念成人病研究所, 主任研究員
大久保 実 (財)〓中記念成人病研究所, 研究員 (60241238)
小林 哲郎 (財)〓中記念成人病研究所, 研究員 (30113442)
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キーワード | 家族性高コレステロール血症 / 冠動脈硬化症 / 血清コレステロール値 / HDL-コレステロール / 高Lp(a)血症 / 凝固線溶系分子マーカー / HLA抗原 / LDLレセプター |
研究概要 |
家族性高コレステロール血症(FH)は頻度の高い遺伝性疾患であり、冠動脈疾患を合併し易いことで知られている。われわれは、FHの成人例190症例を対象として、冠動脈疾患の合併とその責任因子とについて検討をおこない、以下の成績を得た。 1.冠動脈疾患の合併例は40症例(21.0%)であった。発症年令が比較的若い患者が多く、50才未満で発症した患者は43%も占めていた。 2.冠動脈疾患の合併頻度に性差は認められなかった。 3.冠動脈疾患に関する家族歴が冠動脈疾患合併患者でとくに濃厚というわけではなかった。 4.冠動脈疾患の合併は、未治療時の血清コレステロール値が>400mg/dlの患者で非常に高率に認められた。冠動脈疾患を合併した例では、HDL‐コレステロールが低値をとる患者が多かった。 5.FHでは高Lp(a)血症の患者が多かったが、冠動脈疾患を合併した患者が合併していない患者と比較してとくに高値というわけではなかった。 6.FH患者では、凝固線溶分子マーカーに異常は認められなかった。 7.冠動脈疾患の合併と特定のHLA抗原との関連は認められなかった。 8.われわれは、若年期から高度な冠動脈疾患を合併した女性例を経験し、そのLDLレセプター遺伝子解析をおこない、新しい変異であることを明らかにした。冠動脈硬化の発症が特定の遺伝子と関連をもつか否かについては、今後の検討が必要である。
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