研究課題/領域番号 |
03454239
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
高森 正治 金沢大学, 医学部, 教授 (60039815)
|
研究分担者 |
奥村 誠一 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (60152435)
坂戸 俊一 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (10142275)
井手 芳彦 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (10100835)
松原 四郎 金沢大学, 医学部, 講師 (00143884)
|
キーワード | アセチルコリン受容体 / 合成ペプチド / 抗体 / 免疫原 / 疾患モデル動物 / 重症筋無力症 |
研究概要 |
重症筋無力症の発病機構に関わる免症反応の標的ーアセチルコソン受斉体の分子構造のなかで、重要な病原抗体の1つ結合型抗体の標的領域α67-76(残基番号)に注目、またT細胞認識領域として前年度の結果をふまえてα107-116(残基番号)を採用し以下の結果を得た。 1.α67-76、α107-116それぞれ単独、混合、連結、両者間人工的アミノ酸配列介在連結等6種のペプチドを合成し免疫原とした。 2.それぞれをルイス系ラットに注射、発病の状態を、抗ペプチド抗体、抗天然アセチルコリン受容体抗体、細胞内電極法による電気生理学的指標によって定性、定量的に評価した。 3.合成ペプチドα107-116・α67-76・α107-116が疫患誘導に関わる免疫原としては最も有意性が高かった。 4.天然アセチルコリン受容体蛋白で免疫し発病した筋無力症モデル動物での血中抗体検出には、α107-116・NPGG(人工的配列)・α67-76が最も有意性が高く、疫患誘導性と抗体との反応性は立体構造によって相異することを明らかにした。 5.二次元核磁気共鳴法(NMR)によるペプチド立体構造のコンピュータグラフィクは上述2項の免疫学的結果と一致した(βターン、αヘリックス)。 6.動物実験で有意性を確立したいずれも合成ペプチドも、ヒト筋無力症患者血中抗体検出用としては有意でなかった。 7患者血中抗体検用としては、疫患誘導性よりも抗体反応が重要なことから、α107-116領域は無視して、α67-76領域につよいターン構造をとらせる人工的アミノ酸配列の連結を考案した。 8.このうち、CR・α67-76・Kは38%、KKCYG・α67-76・VGTは19%の患者と陽性の結果を得た。 9.臨床応用、治療用抗原としては80%以上の陽性率が希ましく、α67-76を昇格とした人工的修飾による合成ペプチドに一層の考案を加えることを次年度の研究目標の1つとする。
|