研究課題/領域番号 |
03454244
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
篠崎 温彦 財)東京都臨床医学総合研究所, 薬理研究部門, 研究員 (20109945)
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研究分担者 |
郭 伸 東京大学, 医学部, 助手 (40160981)
石田 美知子 財)東京都臨床医学総合研究所, 薬理所究部門, 研究員 (90124437)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 脊髄運動ニューロン / 興奮性アシノ酸 / 筋萎縮性側索硬化症 / 神経細胞死 / アクロメリン酸 |
研究概要 |
ヒトの筋萎縮性側索硬化症の病像と極めて類似する脊髄前角運動ニューロンの選択的破壊をラット脊髄にアクロメリン酸を局所適用することにより起こすことが可能かも知れないとの仮説をたてた。筋萎縮性側索硬化症の原因は未だ明確ではなく、実験モデル動物も存在しない現在、アクロメリン酸による選択的運動ニューロン破壊が可能であればこの疾病の解明に大きく寄与するものと考えられる。アクロメリン酸は毒茸ドクササコより得られる天然物であり、現在、その大量合成はすこぶる因難である。また既に入手していたアクロメリン酸が不純であることがその後わかり、その毒性発現はかつてのものに比べてかなり低くなっていた。その故に研究計画は著しく遅れる結果となってしまったことは残念である。そこで、とりあえず種々の新規カイニン酸誘導体の興奮毒性を電気生理学的、神経学的、病理学的に検討し、4-(2methoxyphenyl)-2-carboxy-3-pyrrolidineacetic acid(MFPA)が、アクロメリン酸を凌ぐ脱分極活性をもつことが判明した。この他、4-(2-hydroxyphenyl)-誘導体もかなり強力であり、アクロメリン酸、ドウモイ酸、カイニン酸と共に、種々なカイノイドが勢ぞろいした。興味あることにこれらのカイノイドは、著しい脱分極活性を示すものの、必ずしも同じ薬理学的性質を示さない。全身投与した場合の神経学的症状はそれぞれ異なり神経細胞死発現の部位も異なった。しかし脊髄運動ニューロンのみを破壊する薬物ないし適用方法はまだ見つかっていない。これらの薬物もその量は決して大量ではなく、極めて厳しいが、こうした薬物を髄中投与ないしは動脈内注射することにより、筋萎縮性側索硬化症実験モデル動物の開発を試みた。
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