• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1992 年度 実績報告書

自己免疫性脳炎の発症機序の解明と新しい治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 03454245
研究機関国立精神・神経センター

研究代表者

田平 武  国立精神・神経センター, 神経研究所, 部長 (80112332)

研究分担者 ミレーナ コゾウスカ  国立精神, 神経センター・神経研究所, 外来研究員
遠藤 真澄  国立精神, 神経センター・神経研究所, 流動研究員
山村 隆  国立精神, 神経センター・神経研究所, 室長 (90231670)
キーワードアレルギー性脳炎 / 多発性硬化症 / 自己免疫 / T細胞受容体 / サプレッサーT細胞 / オリゴデンドログリア / 熱ショック蛋白
研究概要

本研究は自己免疫性脳炎(EAE)の発症機序を解析し新しい治療法を開発することを目的とする。1)炎症の初期反応としてのセロメニンの動きをマイクロダイアリシス法により解析したが、有意の変化は見出さなかった。2)ミエリン塩基性タンパク(MBP)のペプチド89-101に反応し脳炎を惹起するT細胞クローンをSJLマウスから樹立しそのT細胞受容体を解析した結果、Vβは多様であるが、CDR3領域に興味深い保存されたアミノ酸配列があることが分った。この保存配列は種を越えて存在していた。この保存配列をもとにCDR3領域のペプチドを合成し、この接種によりEAEが抑制されるか否かの検討に着手した。3)MBP89-101反応性脳炎誘起性T細胞を活性化してマウス足蹠に接種すると所属リンパ節に活性化T細胞抗原を認識するCD4^-CD8^-すなわちdouble negative(DN)T細胞で抑制性の細胞が出現することが分った。このDNサプレッサーT細胞をクローニングしT細胞受容体を解析した所、Vβ17であることが分った。このDNT細胞はin vitroで脳炎誘起性T細胞のMBP89-101に対する反応を抑制し、in viroでそのEAEを抑制した。このようなDNサプレッサーT細胞の発見は初めてであり、自己免疫疾患に共通のものかどうか興味がもたれる。今後このようなT細胞を誘導活性化する機序の解明はEAEの治療法開発に有用であると思われる。4)最近熱ショック蛋白(HSP)が免疫系の標的抗原となり、自己免疫性疾患の発症機序に関与する可能性が指摘されている。本研究によりオリゴデンドログリアにHSPが発現されていることを示し、自己免疫性脱髄疾患の発症に関与する可能性を示した。今後γ8T細胞がHSP陽性オリゴデンドログリアを攻撃するか否かの検討が必要である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Satoh J,Yamamura T,Kunishita T,Tobira T,: "Heterogeneous induction of 72-KDa heat shock protein (HSP72)in cultured mouse oligodendro cytes and astrocytes." Brain Research. 573. 37-43 (1992)

  • [文献書誌] Satoh J,Nomaguchi H,Tabira T.: "Constitutive expression of 65-KDa heat shock protein (HSP65)-like immunoreactivinty in cultured mouse oligodendrocyte" Brain Research. 595. 281-290 (1992)

  • [文献書誌] Yamamura T,Sakanaka S,Takahashi K,Tokuchi F,Kozovska M,Tabira T,: "Homologous T cell receptor complementarity determining region 3 among T cells capable of inducing experimental autoimmune encephalomyelitis." Eur.J.Immunol.

  • [文献書誌] Yamamura T,Nihei J.Tabira T.: "Regulation of autoimmune encephalomyelitis by CD_4^-CD_8^-αβ T cells responding to activated T cells." Science.

  • [文献書誌] Inobe J,Yamamura T,Kunishita T,Tabira T.: "T lymphocyte lines and clones selected against synthetic MBP82-102 peptide from Japanese MS patients." J.Neuroimmunology.

  • [文献書誌] Tabira T,Kira J: "Myelin:Biology and chemistry" CRC Press,783-799 (1992)

URL: 

公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi