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1992 年度 実績報告書

慢性高頻拍刺激による可逆性心不全モデルに於ける興奮ー収縮連関異常のメカニズム解明

研究課題

研究課題/領域番号 03454250
研究機関富山医科薬科大学

研究代表者

麻野井 英次  富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (00150128)

研究分担者 三羽 邦久  富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (70166221)
木原 康樹  富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (40214853)
キーワード心収縮性 / 陽性階段現象 / Ca^<2+>トランジエント
研究概要

1.細胞内Ca^<2+>動態に対し異なった作用点を有する強心薬を用いて、正常心と不全心の収縮・弛緩反応を比較した。不全心の収縮反応は、β受容体制激薬では、正常心の56%、adenylate cyclase活性薬では38%、Ca^<2+>感受性増強薬では14%に低下したが、弛緩能は正常心と同程度に改善した。この不全心の弛緩能の改善には薬剤による後負荷の変化が重要であった。心拍数を60拍/分増加したとき、正常心では収縮性が75%増加したが、不全心では32%と少さく、陽性階段現象が著しく減弱していた。同時に不全心では頻脈時の弛緩能の改善も認められなかった。
2.不全心筋の最大張力到達時間は正常心に比し40%、弛緩速度は25%延長していた。さらに頻回刺激による発生張力の変化を検討した結果でも、頻脈時の最大張力の増加は認められず、逆に、刺激頻度が増すにしたがって最大張力は減少し、拡張期張力が増加した。正常心筋では、エクオリンによる細胞内Ca^<2+>トランジエントは単一成分であったが、不全心筋では、二つの成からなり著明に遅延していた。しかし収縮期および拡張期の細胞内Ca^<2+>濃度には、正常心筋と不全心筋で差がなかった。
3.頻回心室刺激による心不全モデルの収縮・弛緩障害の機序は以下のごとく要約される。
(1)収縮蛋白へのCa^<2+>動員を促進する強心薬の効果が、一様に減弱したこと、細胞内Ca^<2+>濃度が正常心と差がなかったことから、収縮性の低下には、収縮機構に直接関係するクロスブリッジの機能異常や、細胞外マトリックスの変化など、Ca^<2+>供給能以外の要因が関与する可能性がある。
(2)左室弛緩能の障害には、細胞内Ca^<2+>サイクルの遅延と後負荷の増加の両者が関与している。
(3)細胞内Ca^<2+>サイクルの遅延は、特に頻脈時の収縮・弛緩障害の要因として重要と考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hidetsugu Asanoi: "Serical reproducibility of conductance catheter volumetry of left ventrilcle in conscious dogs." American Journal of Physiology. 262. H911-H915 (1992)

  • [文献書誌] Takashi Nozawa: "Dobutamine improves afterload-induced deterioration of mechanical efficiency toward maximal." American Journal of Physiology. 263. H1201-H1207 (1992)

  • [文献書誌] Shigetake Sasayama: "Continous measurement of pressure-volume relationship in experimental heart fialure produced by rapid ventricular pacing in conscious dogs." European Heart Journal. 13. E47-E51 (1992)

  • [文献書誌] Kunihisa Miwa: "Effects of diltiazem and verapamil on (+)ーPN200ー110 binding kinetics in dogs cardiac membranes." European Journal of Pharmacology. 214. 127-132 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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