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1991 年度 実績報告書

拡張型心筋症のウイルス病因に関する研究ーDNAおよびRNA診断法を用いてー

研究課題

研究課題/領域番号 03454258
研究機関大阪医科大学

研究代表者

北浦 泰  大阪医科大学, 医学部, 構師 (50084950)

研究分担者 小出 尚志  大阪医科大学, 医学部, 助手 (40195649)
出口 寛文  大阪医科大学, 医学部, 助手 (90131341)
河村 慧四郎  大阪医科大学, 医学部, 教授 (00026832)
キーワード拡張型心筋症 / 心筋炎 / コクサッキ-B3ウイルス / ウイルスゲノム
研究概要

拡張型心筋症(DCM)のウイルス病因研究の一環として、心筋症および心筋炎における心筋ウイルスゲノムの存在意義を基礎および臨床の両面から検討した。
A.基礎的研究
実験的コクサッキ-B3ウイルス(CVB3)性心筋炎動物において、PCR法およびin situ hybridization法により心筋CVB3ゲノムを検索した。心筋CVB3ゲノムは分離期間を超えて急性期後も存続した。その期間はC3H/Heマウス、A/Jマウス、ゴ-ルデンハムスタ-の順に長く、個体によって異なった。CVB3ゲノムが存続する個体は心障害を後遺するものが多く、ハムスタ-でDCM様病像を呈するものがあった。
B.臨床的研究
DCMおよび心筋炎患者34名の生検心筋におけるエンテロウイルス(EV)ゲノムを検索し、臨床像および生検心筋光顕所見などと比較検討した。全ての症例においてEVゲノム陽性例は約30%、心筋炎の組織所見を有するものに陽性例が多いが、必ずしも組織学的心筋炎の有無とEVゲノムの存在とは一致しなかった。急性心筋炎において経過が良好で、組織学的に治癒途中および治癒の症例はすべてEVゲノム陰性であった。一方、急性発病が明らかでなくDCM様病像をきたし、かつ組織学的に心筋炎を認めた症例では殆どがEVゲノム陽性であった。また、DCMにおいて組織学的に心筋炎が否定できた症例においても約25%にEVゲノムを認めた。
以上の結果はウイルス性心筋炎からDCMに進展する一連の経過における心筋内ウイルスゲノムの自然歴を反映していると考えられれる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 小出 尚志: "Viral genomic detection in the hearts of C3H/He mice with experimental coxsackievirus B3 myocarditis by gene amplification using the polymerase chain reaction." Japanese Circulation Journal. 56. 148-156 (1992)

  • [文献書誌] 小出 尚志: "Genomic detection of enteroviruses in the myocardium:Studies on animal hearts with coxsackievirus B3 myocarditis and endomyocardial biopsies from patients with myocarditis and dilated cardiomyopathy." Japanese Circulation Journal.

  • [文献書誌] 小出 尚志: "心筋炎、心筋症患者の心筋におけるウイルスゲノムの検索とその意義" Cardiac Practice. 3. 35-39 (1992)

  • [文献書誌] 小出 尚志: "心筋炎におけるウイルスゲノムの検索とその有用性について" Japanese Circulation Journal. 55. 345-347 (1991)

  • [文献書誌] 小出 尚志: "ホルマリン固定後パラフィン包埋心筋標本からのウイルスゲノム増幅の試み" 厚生者特定症患特発性心筋症調査研究班平成2年度研究報告集. 97-99 (1991)

  • [文献書誌] 北浦 泰: "ウイルス性心筋炎" 日本臨床. 49. 176-182 (1991)

  • [文献書誌] 北浦 泰(細田 瑳一 編): "今日の循環器症患治療指針" 医学書院, 3 (1992)

  • [文献書誌] 北浦 泰: "最新内科学大系32,心筋症と心筋炎" 中山書店, 16 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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