研究課題/領域番号 |
03454258
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
北浦 泰 大阪医科大学, 医学部, 講師 (50084950)
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研究分担者 |
小出 尚志 大阪医科大学, 医学部, 助手 (40195649)
出口 寛文 大阪医科大学, 医学部, 助手 (90131341)
河村 慧四郎 大阪医科大学, 医学部, 教授 (00026832)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 拡張型心筋症 / PCR法 / エソテロウイルス遺伝子 / コクサッキーB3ウイルス / 心筋炎 / マウス / ハムスター / In situ hybridization法 |
研究概要 |
拡張型心筋症のウイルス病因をRNA診断法により、臨床および基礎の両面から検討した。(1)我国における拡張型心筋症、心筋炎および他の心疾患患者97例の生検心筋におけるPCR法を用いたエンテロウイルス遺伝子の検索において、21%が陽性であった。疾患別陽性率は心筋炎23%、拡張型心筋症18%、他の心疾患22%で疾患群間に差がなかった。また、陽性と陰性症例間に臨床像や生検心筋所見に明らかな差異がみられなかった。(2)ウイルス性心筋炎動物モデルにおける検討で、コクサッキーB3ウイルス接種マウスの一部に心筋炎急性期後の著明な心筋線維化と心筋内ウイルス遺伝子を認めた。しかし、拡張型心筋症様病像はきたさなかった。一方、ハムスターは一部急性期後に心室拡張をきたし、拡張型心筋症様病像を呈した。心筋内ウイルス遺伝子はこのようなハムスターでより長期間認められた。(3)コクッキーB3ウイルス性心筋炎マウスにおけるウイルスセンスおよびアンチセンスRNAはRT-PCR法により急性期後も同様に証明された。In situ hybridization法における局在は、心病巣部の心筋細胞胞体内や間質細胞の一部にあることが明らかにされた。この事実は急性期後も病巣部でのウイルスの複製がおこっている可能性を示唆するが、組織学的には必ずしも心筋炎を認めなかった。 以上より拡張型心筋症、心筋炎のみならず他の心疾患においても生検心筋から高率にエンテロウイルス遺伝子が検出され、その病因的意義は不明である。しかし、心筋炎動物モデルでは心筋炎後の病変の強い個体に陽性率が高いと思われる。
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