研究概要 |
ヒトケラチノサイト(HKC)のIFN-γによるHLA-DRおよびICAM-1発現に関する情報伝達系についての研究は、一応の結論がでたため、現在、論文作製中である。HKCのIFN-γによるHLA-PR、ICAM-1発現のいづれにおいても、Protein Kinave C 及びCalmociulinが関係しているという結論である。また、この研究の間に、活性型ビタミンD3である、1,25-(OH)_2D_3がHKCにおけるIFN-γによるHLA-DRの発現な抑制するが,IFN-1によるI(AM-1の発現誘導には影響を及ぼさないことを明らかにし,1,25(OH)_2D_3の新たな免疲学的な作用として報告した。更に、長い間,抗白癖剤として用いられてきた、グリセオフルビンが、1,25(OH)_2D_3と同様に、IFN-γによるHKCに対するHLA-DRの発現は抑制するが、ICAM-1の発現は抑制しないということを見出し、報告した。このことは、グリセオフルビンの新たな、免疫調節能をもつ薬剤としての一面を明らかにしたものであり、興味あるところ、と考えている。そして、このことが、従来いわれていたグリセオフルビン内服が難治性の扁平苔癖に対する有効性を説明しうるものの可能性があると考えた。また、一方、グリセオフルビンのこのような免疫調節能より考えて、扁平苔癖と同様の臨床症状をとることのある、開口部プラズマ細胞増殖症とよばれる難治性疾患に討して臨床応用してみたところ、極めて有効という結論を得た。更に多数例についての検討を考えている。ヒトランゲルハンス細胞(LC)についての検討では、細胞線浮遊として培養すると、HLA-DRの発現増強,CD1の発現の消失,CD4体不変という結果が得られた。しかし、皮膚器官培養では、これらのうち、CD1の発現継持がみられた。これらの差について、抗サイトカイン抗体による検討,あるいは、各種サイトカインによる増強などについて検討したが明確な結論は得られていない。
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