研究概要 |
類天疫瘡患者四清を用いた免疫沈澱の結果、KC1,KC2いづれのコラーゲンタンパクも類天疫瘡抗原タンパクの一つである可能性が示された。さらにKC1,KC2のペプチドマッピングが一致すること、pulse-chaseの実験の結果KC1(190Kd)がprocessingをうけてKC2(120kcd)になることよりKC1は類天疫瘡抗原タンパクの一つのBPAG2と同一であると考えられた。BPAG2の遺伝子はすでにクローニングされているので既知の塩基配列の一部、5′ATGACTTCAGAGGGA3′と5′CTAAGCAGTGGCAGC3′をprimerとしてRT-PCR法によりCDNAを合成した。このCDNAはケラチノサイトの6KbのmRNAとハイブリダイズした。角膜、肝、腎、動脈、肺などの臓器のRNAとノーガンブロットを行った結果角膜にのみ5KbのmRNAを認めた。これは近年見い出されたいわゆるcornea-specific collagenとBPAG2が極めて類似していることを示している。タンパクレベルの検討の結果KCl,KC2とも基底膜成分のうちフイブロネクチンと結合能力が高く、ケラチノサイトと基底膜の接着に関し、少なくとも一部はKC1,KC2とフイブロネクチンの結合が関与していることを示唆するものである。
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