研究課題/領域番号 |
03454281
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
遠藤 登喜子 名古屋大学, 医学部, 講師 (10231193)
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研究分担者 |
藤田 広志 岐阜大学, 工学部, 助教授 (10124033)
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キーワード | マンモグラム / 自動診断 / 診断支援装置 / デジタル画像 / 石灰化像 / 腫瘤抽出 / 腫瘤の良悪性の鑑別 / ブレストファントム |
研究概要 |
マンモグラムをデジタル像から、乳癌を初めとする異常領域を抽出する自動診断支援装置の開発のために、2つの方向を考えて研究を行って来た。1つは腫瘤陰影を抽出し、その良悪性を鑑別することによるものである。この方向の研究では、異常領域の抽出についてはほぼ満足できる成績を得ており、今年度からは良悪性の鑑別についての研究をニューラルネットワークを用いて行っている。40例(良性20、悪性20)を対象として行った実験では、認識率約90%の結果を得ており、その手法の有効性が確認された。今後は症例数を増やして検討する予定である。 もう1つの方向は、乳癌に特徴的な微細石灰化像の検出を行うものである。今までの研究では、ピクセルサイズが大きかったことと異常領域候補数の制限のため、個々の石灰化像を抽出するというより、石灰化像の集中した領域を抽出するように見えた。デジタル化したマンモグラムでは、ピクセルサイズを小さくすることが可能であり、今年度は石灰化像の検出に最も適したピクセルサイズの決定という基礎的検討を行った実験は、プレストファントムの疑似石灰化像(120、160、200、230、270、350μm)のX線写真をデンシトメータで25、50、100、200、500μmの大きさにスキャンし、石灰化像を目視で明瞭に観察できる範囲を決定した。これは、石灰化の特徴を、小さいが周囲より明らかに高濃度を示す領域と考えたことに因る。結果は、石灰化が大きいほど、またスキンサイズが小さいほど明瞭かつ正確に認識されたが、160μmの石灰化(良いマンモグラムの条件として描出必須)では、50μmスキャンで許容範囲のぼけ・5個の認識、100μmのスキャンでは5個が認識されたものの存在があいまいとの評価がなされた。また、デンシトメータのスキャンサイズを変更したものより、25μmでスキャンしたあとコンピータで各サイズに合成したもののほうが明瞭な像が得られた。
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