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1992 年度 実績報告書

Gd-DTPAのdynamic MRIによる腫瘍内動態・分布に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03454283
研究機関神戸大学

研究代表者

河野 通雄  神戸大学, 医学部, 教授 (60030938)

研究分担者 藤田 善弘  神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (00238594)
山崎 克人  神戸大学, 医学部, 助手 (50210381)
廣田 省三  神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (20181216)
足立 秀治  神戸大学, 医学部, 講師 (60159407)
佐古 正雄  神戸大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60030970)
キーワードGd-DTPA / dynamic MRI / 腫瘍内動態 / 家兎VX-2腫瘍 / 肺癌 / 肝細胞癌 / 血管透過性
研究概要

Gd-DTPAの腫瘍内動態及び腫瘍周囲組織への分布について、実験的並びに臨床的に検討した。
(1)家兎VX-2腫瘍を用いた実験的検討を行い、Gd-DTPAの腫瘍内動態とMR画像における信号強度を比較検討し、画像と病理組織標本の対比を行った。その結果、Gd-DTPA注入後速やかに信号強度が上昇し5分後をpeakとしてゆっくりと下降する部位はviableな腫瘍組織に、緩除に上昇し20分後に低いpeakを形成する部位は腫瘍近傍の壊死部に、全く信号強度の上昇しない部位は腫瘍から離れた壊死部に一致した。さらに画像上の信号強度は、それぞれの部位のGd-DTPA濃度に比例した。即ち腫瘍部が平均133.88nmol/ml、壊死部が36.66nmol/ml、筋肉が63.76nmol/mlであった。また正常組織でのGd-DTPA濃度は注入後速やかに上昇したが、血中濃度の下降に伴い速やか低下した。これは正常組織でのGd-DTPA組織内移行量が腫瘍部に比べて少ないためと思われた。
(2)肺癌症例69例における臨床的検討では、dynamic MRIについて病理像と対比検討した。腫瘍部の信号強度はGd-DTPA注入後3-10分にかけて上昇し以後30分にかけてプラトーからやや下降する傾向にあった。また、二次変化を伴う27症例において23例で腫瘍と二次変化部の識別が可能であった。
(3)TAEを施行した肝細胞癌症例についてdynamic MRIを行った。その結果、TAE後1カ月の効果判定では9結節中5結節で残存腫瘍診断が可能であった。また、3カ月後の再発診断能についてT2強調像およびCTと比較検討し、それぞれの正診率がdynamic MRI=94%、T2強調像=88%、CT=81%とDynamic MRIが最も優れていた。
今後の研究計画:術前にdynamic MRIを施行した悪性腫瘍患者に対して切除直前にGd-DTPAを注入し、その切除標本内のGd-DTPA濃度を測定してdynamic MRIにおける信号強度と対比検討する。またdelayed imageによる良悪性腫瘍の鑑別の可能性、Gd-DTPA投与量による信号強度の差異についても検討する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 河野 通雄: "Gd-DTPAのdynamic MRIによる腫瘍内動態・分布に関する研究ー家兎VX-2腫瘍を用いた実験的研究" INNERVISION. 7(7). 9-10 (1992)

  • [文献書誌] 足立 秀治: "MRI診断への期待" 臨床画像. 9(1). 46-57 (1993)

  • [文献書誌] Michio Kono,M.D.: "Clinical Utility of Gd-DTPA-Enhanced Magnetic Resonance Imaging in Lung Cancer" Journal of Thoracic Imaging. 8(1). 18-26 (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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