研究課題/領域番号 |
03454283
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
河野 通雄 神戸大学, 医学部, 教授 (60030938)
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研究分担者 |
糸氏 英一郎 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (90243302)
山崎 克人 神戸大学, 医学部, 助手 (50210381)
廣田 省三 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (20181216)
足立 秀治 神戸大学, 医学部, 講師 (60159407)
佐古 正雄 神戸大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60030970)
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キーワード | dynamic MRI / Gd-DTPA / 腫瘍 / 肺癌 / 肝細胞癌 / 家兎VX2腫瘍 |
研究概要 |
dynamic studyにおけるGd-DTPAの腫瘍内動態・分布並びに腫瘍及びその周囲組織への分布について、切除肺において明らかにした。 方法:肺癌患者に対し術前にGd-DTPAによるdynamic MRIを撮像した。使用した機種はGYROSCANS15(1.5T),(Philips Medical Systems,Eindhoven,オランダ)である。撮像は通常のSE法(T1強調像)でGd-DTPA0.1mmol/kgを静注後約3分、10分、20分、30分と経時的に撮像を行った。次に肺癌患者の肺切除直前にGd-DTPAを静注しその切除標本内のGd-DTPA濃度をin vitroで測定した。その後、dynamic MRIと組織内濃度および病理像を対比し、組織内のGd-DTPA濃度と画像上の増強効果の関連性につき検討した。なお組織内Gd-DTPA濃度の測定には、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析装置(SPS-1200A、セイコー電子工業)を用いた。 結果:1)肺葉切除直前にGd-DTPAを静注した患者のdynamic MRIでは、Gd-DTPA注入後速やかに信号強度の上昇する部分と、比較的緩徐に上昇する部分、およびほとんど信号が上昇しない部分とが見られた。またこれらは病理学的にそれぞれviableな腫瘍組織、腫瘍組織近傍の壊死部、腫瘍組織から離れた壊死部に一致した。術前のdynamic MRIにおける各組織の信号強度は、組織内Gd-DTPA濃度に比例した。2)肺葉切除後にGd-DTPAを肺動脈から注入した患者、および肺静脈を切断した後肺葉切除直前にGd-DTPAを静注した患者の腫瘍内のGd-DTPA濃度は、腫瘍壊死部のGd-DTPAの濃度は低いものの腫瘍部および肺の非腫瘍部(肺実質部)の濃度は差異がなかった。 まとめ:切除肺の検討ではGd-DTPAの腫瘍内濃度と、腫瘍内の壊死部および肺組織内濃度との間に明かな差が見られ、viableな腫瘍部ではdynamic MRIにおいてGd-DTPAによる増強効果が著明であり、腫瘍内濃度も高値を示す傾向がみられた。したがってGd-DTPAの組織内分布の差異は、家兎VX-2腫瘍を用いた実験結果と対比しても、腫瘍と正常組織のGd-DTPAの血管外移行量や血流量がそれぞれ異なるために生じたものと考えられ、Gd-DTPA MRIによる組織特異性の診断に寄与する所見と思われた。
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