研究課題/領域番号 |
03454285
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
久保 敦司 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (90051771)
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研究分担者 |
尾川 浩一 法政大学, 工学部, 助教授 (00158817)
塚谷 泰司 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60197647)
中村 佳代子 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (20124480)
中島 真人 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (20051766)
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キーワード | SPECT / 散乱線補正 / モンテカルロ法 / コンプトン散乱 / 定量性 |
研究概要 |
本研究ではSPECTを用いた様々な定量的測定・診断を可能とすることを目的とし、SPECT画像に混入する散乱線の除去を実時間で行う方法を開発した。当該年度は、実験による有効性の確認、臨床レベルでの有効性の確認、2核種同時データ収集に対しての補正法の有効性の検証を中心に行なった。実験による有効性の確認では、実際のSPECTシステムとして東芝製GCA-9300システムを用い、散乱線補正のアルゴリズムはソフトウェアで実行した。散乱線除去効果を正確に評価するために、異なる濃度の放射性同位元素を封入したrodファントムを用いて、これらの放射能がSPECT値と線形な関係になるかどうかを調ベた。この結果、Changによる吸収補正と開発した散乱補正アルゴリズムを同時に使用することで、定量測定が可能となることが明らかになった。また、臨床レベルでの有効性の確認を行なうためボランティアによる実験および患者データへの適用(脳SPECT)を行ったところSPECT画像の画質が向上し、これに伴って解像度も向上した。これらの実験を通してメインウィンドウの幅やサブウインドウの幅を、収集するカウント数から検討した結果、シミュレーションで設定した条件で十分臨床的にも適用できることがわかった。また装置のエネルギーウィンドウ設定に関しては、メインウィンドウとサブウィンドウをオーバーラップして設定することが不可能であったため、これらのウインドウをすべて隣接して設定した。この条件に関してもシミュレーションで最適なウィンドウ位置、幅などを算出した。また2核種同時データ収集に対しての補正法の有効性の検証はシミュレーションとファントム実験から行った。対象とした核種はTl-201とTc-99m、Tl-201とI-123などである。この場合の有効性も検証することができた。
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