研究概要 |
(1)精神分裂病,アルツハイマ-病及び正常対照群の死後脳のG蛋白貭の検討:愛知県コロニ-の浅野と加藤両博士が開発したエンザイムイムノアッセイ法を用いて,これらの疾患の死後脳の各脳部位におけるGiー2及びGoのαサブユニットを測定した。前頭眼窩面,海馬 海馬旁回,被叡,尾状核,側頭葉外側面について検討した結果 Giー2αはいずれの部位でも精神分裂病群と対照群の間で有意差を認めなかった。一方,Goαでは前頭眼窩面でのみ精神分裂病群で有意(P<0.05)に低値を示した(精神維記:93:836ー843,1991;Sclizaphveuia Res:4:353ー354,1991)。アルツハイマ-病については例数が少なく,対照群との統計学的検討を行うことが出来なかった。 (2)ウェスタ-ン・ブロット法によるG蛋白貭αサブユニットの測定:エンザイムイムノアッセイ法ではGiー1αを測定する充分な抗体を確保できず,正確な検討が出来なかったので,ウエスタ-ン・ブロット法を用いて検討した。検体を充分精製した純蛋白にまで分離して本法を用いると定性的な検討は可能であったが,量的に正確な測定が困難であった。精製せずに用いた検体では抗体と充分な抗原抗体反応をうることが出来なかった。 (3)ノ-ザン・ブロット法によっるG蛋白貭遺伝子の検討:東大薬学部宇井教授と星野助手との共同研究で,ノ-ザン・ブロッド分析法を用いてGiー1α,Gi2ーα、Goαの遺伝子発現を検討しているが,用いた検体の蛋白貭が変性をきたしていたため 正確な結果をうることが出来なかった。
|