研究課題/領域番号 |
03454302
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
前谷 俊三 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (10115933)
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研究分担者 |
荒木 光彦 京都大学, 工学部, 教授 (60026226)
堤 定美 京都大学, 生体医療工学研究センター, 助教授 (00028739)
林 寿郎 京都大学, 生体医療工学研究センター, 助教授 (90026089)
筏 義人 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (00025909)
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キーワード | 生体内部環境 / 自動制御 / 血圧調節 / 血糖調節 / 危険閾値解析 |
研究概要 |
本研究の目的は近年著しく発達した自動制御技術を医学に応用して、生体の内部環境を最適の状態に調節することである。ただしここでいう「最適」とは「生理的」値ではなく、たとえ非生理的レベルであっても与えられた条件では最も合目的な値に設定することを目指している。このためまずコンピュ-タによる血圧と血糖の調節を試みている。 1.血圧の調節 雑種犬をネンブタ-ルで麻酔し、大腿動脈をストレインゲ-ジマノメタ-に接続、その血圧を1秒毎のコンピュ-タに送り、自動注入ポンプからの降圧剤の投与量を調節している。降圧剤としてはtrimetaphan camsilate(自律神経節遮断剤、Arfonade)を使用、コンピュ-タはNECのPCーH98(Mode70)でTurbo C言語を用い、状態予測制御法を使っている。すでに予備実験により6個のパラメ-タの推定値を求め、コンピュ-タシミュレ-ションも終わり、安定した低血圧がえられるようになった。現在は平均血圧の目標値を80mmHgに設定しているが、最長約20分以内に目標値に降下させることができ、しかも人間の調節に比べて目標値からの変動幅が少ない。6時間にわたる低血圧後も動物に異常はみられない。ただ本降圧剤で低血圧を維持するためには時間と共に投与量が著しく増加する傾向があり、生体がこの制御に対して何らかの反応を示していると考えられる。向後の課題の一つは多変量の入力(脱血量、輸液量)、出力(尿量、酸素分圧等)の下での最適制御である。 2.血糖の調節 現在血糖の持続測定用センサ-を開発中であるが、問題は血液に接触した状態で長期間安定した測定ができないこと、センサ-の径が動物の血管に比べてなお大きいことである。これを解決すれば、血圧調節のアルゴリズムを生かして血糖の自動制御を行なう予定である。
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