研究課題/領域番号 |
03454308
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
谷口 勝俊 和歌山県立医科大学, 消化器外科, 助教授 (90106568)
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研究分担者 |
馬庭 芳朗 和歌山県立医科大学, 消化器外科, 助手 (50229598)
永井 祐吾 和歌山県立医科大学, 消化器外科, 講師 (00172495)
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キーワード | リン脂質 / 脂肪乳剤 / HPLC / phosphatidylglycerol |
研究概要 |
1)我々が開発した新組成脂肪乳剤のリン脂質(phosphatidyigiycerol)と中性脂肪を別々にトリチウムで標識して、その体内動態を測定することにより、従来のレシチンを用いた脂肪乳剤に比べ、新しく用いたリン脂質ばかりでなく中性脂肪も速やかに肝に取り込まれ代謝され、新組成脂肪乳剤の有用性を代謝面でも立証できた。さらに、乳化剤として用いたリン脂質が脂肪乳剤としての中性脂肪の臓器指向性に大きく影響を与えていることが判明した。 2)血清と組織中のリン脂質分析を行うために、新しいHPLCを組み立てた。分析方法は、CLCーNH_2カラムで各種リン脂質を分離し、ポストカラム法を用いて、水酸化カリウムで鹸化してグリセロリン酸誘導体に変化させ、これを過ヨウ素酸で酸化させ、アセチルアセトンで発色させて410nmの吸光度を求めるものである。分離条件は、移動相にA:CH_3CN/C_2H_5OH=40/60とB:CH_3CN/C_2H_5OH/10mM NH_4 Phosphate(pH5.8)=40/45/15を用い、A/B=90/10を2分後にA/B=45/55とし、14分後から45分後にかけてA/B=45/55からA/B=0/100にする低圧グラジェントを用いた。カラム温度は45℃、流速は0.9ml/minとした。ポストカラムとして0.5φ、20mの反応コイルに、鹸化は50℃で0.5N水酸化カリウムを流速0.4ml/minで、酸化は70℃で10mM過ヨウ素酸を流速0.4ml/minで、発色は70℃で0.2Mアセチルアセトンを流速0.4ml/minで送液した。60分の分離により、12.4分にphosphatidylglycerol、20.4分に内部標準としたphosphatidylpolyethyleneglycol、22.8分にphosphatidylcholine、以下phosphatidylethanolamine、lysophosphatidylcholine、phosphatidylserine、56分にphosphatidylinositolが分離でき、HPLCの測定条件はほぼ確立されたといえる。さらに、臨床試料として各種病態化の血清リン脂質分析を行うべく、血清からの総脂質の分離およびリン脂質の分離法を検討中である。
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