研究課題/領域番号 |
03454318
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山岡 義生 京都大学, 医学部, 助教授 (90089102)
|
研究分担者 |
島原 康行 京都大学, 医学部, 助手 (30196498)
森本 泰介 京都大学, 医学部, 助手 (60135910)
森 敬一郎 京都大学, 医学部, 講師 (80159186)
田中 紘一 京都大学, 医学部, 講師 (20115877)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
キーワード | Veno-Venous Bypass / 肝冷却潅流 / 自己肝移植 / 肝腫瘍 / 肝切除 |
研究概要 |
肝悪性疾患に対する手術治療法は拡大切除が理想的であるが、合併する肝硬変などの機能上の制限と、腫瘍の局在による解剖学的制限のために、拡大手術が不能とされる場合が多い。我々はこれを血管外科的手技、肝移植術の手技を導入し、切除可能な症例を増加させる工夫を行った。1.肝移植で利用されるveno-venous bypassを利用する手術で全肝を阻血状態とし、肝切除をおこなう。この方法により肝後面下大静脈の合併切除、再建も可能になった。2.阻血時間は1時間が限度であることから、非切除側に対して冷却潅流を行ない肝切除を行なった。3.生体部分肝移植の肝グラフトの採取にあたり、グラフト側にも、残存する側にも常に血流を温存する手技を確立し、グラフト採取時に冷却潅流滴出している。4.生体部分肝移植の手技を利用して、腫瘍をもつ肝葉を冷却潅流下に切除し、バックテーブルで腫瘍を滴出したあと残存する正常肝を再びもとの位置に移植する自家肝移植をも可能とした。以上の臨床的な成果は、科学研究費によるイヌを用した実験を基礎としており、それぞれの項目についての動物実験において肝ミトコンドリア機能を反映する動脈血中ケトン体比を測定することにより、エネルギー代謝面からの裏付けをおこなった。 今年度の最終の実験においては、イヌの全肝を滴出バックテーブルで40%の肝切除を行ない残肝を移植する手技が無輸血でできることを確認し、臨床的にEx situの手術に対する可能性の確信を得た。
|