研究課題/領域番号 |
03454327
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
安富 正幸 近畿大学, 医学部, 教授 (60028438)
|
研究分担者 |
重岡 宏典 近畿大学, 医学部, 助手 (70247998)
奥野 清隆 近畿大学, 医学部, 講師 (30169239)
|
キーワード | 肝転移 / Interleukin-2 / 肝局所免疫 / Liposome / ガラクト-ス基 |
研究概要 |
【目的】われわれは消化器癌肝転移についしてInterleukin-2(IL-2)を主体にした免疫化学肝動注療法を試み、70%以上の高い奏効率を得ている。しかしながらIL-2の短い半減期のために週1〜2回の通院を余儀なくされ、それが本法のネックとなっている。そこでIL-2の投与効率を高め、究極的には患者の時間的、経済的な負担を軽減させることを目標に肝集積性の高いIL-2製剤の開発を試み、マウスを用いた基礎実験を行なった。 【方法】肝臓に多く存在するガラクト-スレセプタ-を介して特異的に肝集積性を高めるためにガラクト-ス基を含むリポソ-ムIL-2製剤(Gal-lipo.IL-2)を種々の方法(逆相蒸発法、凍結乾燥法など)で作製し、マウスに投与して、(1)^<125>IラベルしたIL-2による臓器集積性の経時的な測定(2)灌流法にて採取した肝リンパ球の抗腫瘍活性とその持続期間を^<51>Cr遊離法にて検討した。 【結果】凍結乾燥法によって比較的均一な粒子径(100nm前後)で、IL-2封入率の良好な(60%程度)リポソ-ム製剤を作製することができた。この製剤(Gal-lipo.IL-2)は対照群(lipo.IL-2)に比較して、ことに肝臓への集積性が高く、肝類洞内リンパ球の抗腫瘍活性を長期間持続させうることができた。現在、肝転移モデルを用いてin vivo抗腫瘍効果を検討中である。今後は本製剤の臨床用に向けてさらに安全性、安定性などの基礎研究を続ける予定である。
|