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1992 年度 実績報告書

肺移植後拒絶反応早期診断方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 03454333
研究機関京都大学

研究代表者

人見 滋樹  京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (80173186)

研究分担者 横見瀬 裕保  京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (80231728)
和田 洋巳  京都大学, 胸部疾患研究所, 助教授 (90167205)
キーワード肺移植 / 拒絶反応 / MTTアッセイ / ADF染色
研究概要

基礎実験により、人抗ADF(ATL derived factor)抗体とラットに交差反応が無いことが明らかになった。したがって人抗ADF抗体と交差反応がある事が明らかな犬を用いて実験を行った。雑種成犬を用いて、免疫抑制剤を使用しないで同種肺移植を行なった。移植後3日目、5日目に犠性死させ組織学的に検討したところ、術後3日目にはすでに拒絶反応が進行しており、術後5日目には移植肺の構造は破壊されていた。さらに移植肺のADF染色を行なったところ、強くADFを発現する細胞が多数観察された。移植肺におけるADF陽性細胞の数を比較したところ移植前、自己肺より有意に増加しており、拒絶反応の進行にしたがってADF陽性細胞の数は増加していった。また拒絶反応がおこらない自己肺移植を行ない同様の検討を行なったが移植3日目、5日目に自己移植肺にADFの発現は見られなかった。以上より、前述のADFの発現が手術そのものによるものではなく、拒絶反応に起因することが明らかになった。ADFはリンパ球の機能を制御するIDC(interdigitating reticular cell)、あるいはマクロファージなどから産生されると言われている。このADF陽性細胞の起源を明らかにするために数々の免疫染色を行なっているが、現在のところマクロファージである可能性が高い。また貧食能の検討の結果もマクロファージであることを示唆した。さらに別の実験で移植後のレシピエントの末梢リンパ球のMMTアッセイを行なったところ、拒絶反応の進行と共にMMTアッセイの数値が上昇するという結果が得られた。これらの新しい検査方法を応用することにより、移植肺の拒絶反応を早期に診断できる可能性が示された。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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