研究課題/領域番号 |
03454334
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
河野 博之 九州大学, 医学部, 助手 (80178227)
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研究分担者 |
益田 宗孝 九州大学, 医学部, 助手 (10190365)
富永 隆治 九州大学, 医学部, 講師 (70136464)
川内 義人 九州大学, 医学部, 講師 (80117093)
安井 久喬 九州大学, 医学部, 助教授 (20089923)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 心筋保護 / 心筋保護液 / 虚血再潅流障害 / アンジオテンシン変換酵素阻害薬 / カプトプリル / 単離心筋細胞 / 細胞内カルシウム / INTRACELLULAR CALCIUM CONCENTRATION |
研究概要 |
1.心筋内のカルシウム過剰蓄積予防を目的として、前年度に開発した過分極性心停止液(低カリウム心筋保護液)の心筋保護効果を、ラット摘出潅流心を用いて検討を進めた。これは、低カリウム組成の心筋保護液にアデノシン(心停止導入)、ピナシジル(心停止維持)を添加したもので、実験の結果、従来の高カリウム心筋保護液に比べても良好な心筋保護効果を認めた。 2.近年、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬の心保護作用が注目されており、我々もACE阻害薬添加心筋保護液の心筋虚血再潅流に対する効果を、ラット摘出潅流心を用いて検討した。その結果、エナラプリル、リシノプリルについては有意な差を認めなかったが、カプトプリルには心筋虚血再潅流障害抑制作用があることがわかった。これは、ACE阻害効果というよりは、カプトプリルの持つ-SH基によるFree Radical Scavengerとしての再潅流障害抑止効果によるものと考えられた。 3.平成4年度の実験計画として、単離心筋細胞の細胞内カルシウム、pHを指標とした心筋虚血再潅流障害予防に関する実験を挙げ、実際、蛍光色素であるFura-2、BCECFを投与し、細胞内カルシウム、pHを測定する手技はほぼ確立した。しかし、単離心筋においては低酸素状態は作成できても虚血状態を作成することは非常に難しく、単離心筋を使っての虚血再潅流の実験は諦めざる得なかった。 4.単離心筋の実験の反省から、新たに、ラット摘出潅流心に直接蛍光色素を注入しマクロの状態で心筋細胞内カルシウム、pHを測定できる実験モデルを作成中である。このモデルによる実験が確立すれば、虚血再潅流における細胞内カルシウム、pHの動態を直接追うことができ至適心筋保護法の確立に寄与できるものと考えられる。
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