研究分担者 |
土島 秀次 金沢医科大学, 医学部, 助手 (40207395)
金戸 善之 金沢医科大学, 医学部, 講師 (60194932)
坂本 滋 金沢医科大学, 医学部, 講師 (20148159)
滝口 智夫 金沢医科大学, 医学部, 講師 (50064514)
竹越 襄 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40064539)
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研究概要 |
人工心臓と生体との適合性を、血液凝固系、線維素溶解系、免疫学的立場からとらえる計画を立てた。 1.人工心臓の与える機械的、物理的侵襲を定量化する必要から生体整合性を機械的整合性、エネルギー効率などの点を考慮した駆動制御装置をまず開発した。アイシン精機LTDと開発したリニアアクチュエーター式ポータブル型補助人工心臓を用い血液ポンプから圧容積曲線を求めこれから得られたEa/Eesによって生体とpumpとの整合性のある駆動を行うことに成功した。この条件にあった1回心拍出量を重回帰分析によって収縮期電力、拡張期電力、%systole,driving rateの4つの条件より求めることができた。 2.人工循環中に血液凝固系、線溶系がどのように変化するかを調べ、これが心臓移植後にどのような影響を及ぼすかを推論した。また(NM)Nafamostat Mesilatがどのような効果をもたらすかを検討した。人工循環前中後3日間にわたり血小板、β-TG,ATIII,TAT,FPA,PLG,Dダイマー,α_2PIなどを測定した。人工循環中に凝固系、線溶系の亢進が認められ、NMの使用が出血や血栓塞栓症の予防に有効であることが示唆された。 3.人工循環中に細胞性免疫反応が抑制されるのか、亢進するのかを調べるために末梢リンパ球サブセットと抗体依存性細胞障害を検討した。リンパ球機能をリンパ球のDNA合成機能を示す混合リンパ球活性で調べ、またNatural killer cell活性を代表するNatural killer cell細胞障害について調べた。Mixed lyphcyte reactionとNK cytotoxicityは人工循環中に活性化され、このことは細胞障害性免疫の活性化が生じていたものと思われた。人工循環後に行われた心移植では拒絶反応や凝固線溶系亢進が強く生じる可能性があり一層の注意が必要となることが示唆された。
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