1.腫瘍モデルの作成 実験脳腫瘍により得られた培養細胞株のラット RGーC6グリオ-マの皮下継代細胞をラット脳に移植し、ラット脳腫瘍モデルを作成した。 2.血管反応性薬剤への反応 ラット脳腫瘍モデルを用い、ヒスタミンの経動脈投与により脳腫瘍局所血流の増加を認めた。この血流増加作用は、ヒスタミンレセプタ-阻害剤であるシメチジンおよびピリラミンにより抑制され、ヒスタミンによる血流増加作用は脳腫瘍血管におけるヒスタミンレセプタ-を介した作用であることが示唆された。アセチルコリンの経動脈投与では、脳腫瘍血流に有意な変化は認めなかった。 3.抗癌剤の組織中濃度測定 ラット脳腫瘍モデルを用い、アデノシン経動脈投与下に5ーFUおよびフトラフ-ルを経動脈的に投与し、抗癌剤の脳腫瘍および正常脳組織中濃度を測定した。正常脳組織と比べ脳腫瘍中への有意な抗癌剤の取りこみはみられなかった。
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