• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

痙性斜頸の定位脳手術に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 03454350
研究機関九州大学

研究代表者

島 史雄  九州大学, 医学部, 助教授 (40117130)

キーワード痙性斜頸 / 定位脳手術 / 胸鎖乳突筋 / 僧帽筋 / 視床腹外側核 / 淡蒼球 / 脚内核
研究概要

痙性斜頸に対して定位的視床腹外側核凝固術が行われているが、頸筋に対する中枢からの神経支配機構が明かでないため、手術を異常収縮筋に対して同側か反対側に行うかは研究者によって議論がある。ネコにおける脚内核はヒトの淡蒼球内筋に該当すると考えられ、頭部の水平運動と強く関わっている。本研究は、ネコの脚内核刺激により、頭部の水平運動に関わる胸鎖乳突筋と僧帽筋運動ニュ-ロンの反応様式を観察し、ヒトに置ける頸筋の支配機構を推定しようと試みたものである。平成3年度の研究によって次のような成果が得られた。
1)一側脚内核を反復刺激すると、同側胸鎖乳突筋の運動ニュ-ロンの活動が斬増性に増加した。
2)反応の潜時は3ー225msec(平均79)と広範囲に分布していた。
3)同様の刺激で反対側胸鎖乳突筋の運動ニュ-ロンが抑制された。
4)上記の脚内核刺激は4ー7個の矩形波群(300Hz)を1Hzで反復刺激したとき有効で、単発の矩形波刺激では反応がみられなかった。
5)両側大脳皮質運動感覚野を切除した後でも同様の反応が得られた。
6)一側脚内核の反復刺激では、同側僧帽筋の運動ニュ-ロンに反応が得られず、反対側運動ニュ-ロンが斬増性に増加した。
以上の結果から、脚内核は同側の胸鎖乳突筋と反対側の僧帽筋の活動を高め、頭部を刺激の反対側に回旋させるよう働いており、その中枢経路に脳幹内の反響回路が関与していることが強く示唆された。動物実験の結果から、水平回旋性の痙性斜頸には同側手術が妥当で有ることが示唆されつつある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kavaklis,O.: "Ipsilateral pallidal control on the sternocleidomastoid muscle in cats:Relationship to the side of thalamotomy for torticollis" Neurosurgery. (1992)

  • [文献書誌] Kavaklis,O.: "Extrapyramidal control on the neck muscles ーPart 2:Pallidal control on the sternocleidomastoid and trapezius motoneuronsー" Functional Neurosurgery. 30. (1991)

  • [文献書誌] 島 史雄: "痙性斜頸の微小血管減圧術による治療" ペインクリニック. 13. (1992)

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi