研究課題/領域番号 |
03454351
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
生塩 之敬 熊本大学, 医学部, 教授 (20028583)
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研究分担者 |
瀬戸 弘 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (60209848)
高田 明 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (10187966)
河内 正人 熊本大学, 医学部, 講師 (70178218)
永廣 信治 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (60145315)
倉津 純一 熊本大学, 医学部, 助教授 (20145296)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | glioma / growth factor / therapy / PDGF / dissemination |
研究概要 |
悪性グリオーマ細胞の増殖にグリオーマ細胞由来の各種の増殖因子とそれに対する受容体を介したautocrine loop systemが重要であることが知られている。グリオーマ細胞が依存する増殖因子を同定し、その機能を抑制することはグリオーマ細胞の増殖抑制につながると考え基礎的研究を行った。 すでにヒト継代グリオーマ細胞U251MGの増殖が血小板由来増殖因子(PDGF)依存性であることを明らかにしている。このPDGF依存性のグリオーマ細胞に対するPDGF阻害剤トラピジールの増殖抑制効果について検討した。この結果、トラピジールはグリオーマ細胞の増殖を濃度依存性に抑制し、抗癌剤のACNUと相加作用を示した。グリオーマの細胞周期に対する影響について検討するとG_0-G_1 phaseからS phaseへの移行を抑制した。細胞の形態を観察した結果、グリオーマ細胞の分化を惹起することも明らかになった。細胞内情報伝達系に対する影響について検討すると増殖因子で刺激された後のProtein kinase Cの活性化を抑制し、また核内遺伝子のc-fosの発現を抑制することも明らかになった。以上よりトラピジールがPDGF依存性グリオーマ細胞の増殖を抑制することが明らかになったが、増殖因子阻害剤として知られているスラミンについて検討すると、高濃度では増殖を抑制し、低濃度では逆に増殖を刺激することが明らかになった。現在トラピジールの臨床第2相試験を進行中である。 悪性グリオーマ髄液腔内播種症例に対して、ACNU髄液腔内潅流を行って副作用、髄液腔内薬物動態および治療効果を検討した。その結果、安全かつ有効なACNU髄液腔内潅流療法を確立した。
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