研究課題/領域番号 |
03454356
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長野 昭 東京大学, 医学部(分), 助教授 (30111537)
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研究分担者 |
三上 容司 東京大学, 医学部, 助手 (60165983)
黒川 高秀 東京大学, 医学部, 教授 (90010298)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | 脚延長 / 神経伸展 / ランビエ絞輪 / 創外固定 / internodal distance |
研究概要 |
1)Orthofix M-300を参考に家兎大腿骨用の創外固定器を作製した。 2)固定用ピンとして、種々の工業用ピン、1.6mmキルシュナー鋼線、M-300 cortical tapered half screw(Orthofix)のいずれを使用するのが良いか検討した。工業用ピンでは術中大腿骨骨折や骨延長中にピンが脱転をきたした。1.6mmのキルシュナー鋼線では、2cm以上の延長では鋼線が曲がり、本試験に適さなかった。M-300 cortical tapered half screw(Orthofix)は、骨折、ピンの脱転、弯曲はなく、高価であるが、これを用いることとなった。日本白色家兎30羽を用い、大腿骨延長の1日1mm、20日間の延長では、患側大腿骨は15.9mmから18.9mmに、健側の16.5%から18.5%、平均17.2%延長され、家兎には坐骨神経損傷を示す褥瘡はみられなかった。 3)6-0ステンレスワイヤーで坐骨切痕から腓骨頭の間で10mmごとに坐骨神経のに5ヵ所マ-キングし生活肢位でX線撮影し、マーカー間の距離を計測した。神経は、肉眼的には11.6mmから14.6mm、平均12.9mm、健側の神経の11.0%から14.6%、平均12.7%伸長されていた。神経がどの部位で延長されているかを見ると、大腿全長で神経が延長されていたが、近位と遠位が中央部より延長されている傾向があったが、一定の傾向はなかった。 4)延長された坐骨神経が神経線維のどの部位で延長されているか調べるため、神経とぎほぐし法を用い検討すると、有髄神経の変性を示すmyelin ovoid or ballはなく、正常坐骨神経と比べランビエ絞輪部の形態と長さに差異はなかった。ランビエ絞輪間距離は患側が健側よりも長く、脚延長時の神経の伸長はランビエ絞輪ではなく、ランビエ絞輪間で延長されていた。ランビエ絞輪間距離の延長と機構としては、神経自体の弾力性によるものと絞輪数の増加とが考えられるが、延長率12%、20日間の延長を考えると、神経の弾力性によるものの可能性が大きい。 5)今後、延長可能距離と再生神経の延長について検討する予定である。
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