1)-85℃凍結保存骨のallograft実験 WKAHラットの大腿骨遠位部を凍結保存後、Lewisラットにマイクロサージャリーを応用して移植した。移植後免疫抑制剤シクロスポリン未使用群(group1)と使用群(group2)を作成し、以下の観察を行った。 2)吻合血管の開存度 Group1では1週目まで血管は開存していが、5週目では動静脈ともに完全閉塞した。Group2では5週目まで全例の動静脈が開存していた。 3)マイクロアンギオグフィーによる解析 Group1は3週目以降骨内部の血管像は消失した。Group2では3週目以降、骨内部の血管像は移植骨全体に広がっていた。本結果から、凍結保存を行なうと移植骨内部の血行は術後3日目で消失するが、免疫抑制剤を投与すると移植骨周囲軟部組織の血行は温存され、1週目以後に再び骨内部に血管新生が起こることが判明した。 4)組織学的観察 Group1では新生骨形成を認めなかった。Group2では1週目以降は新生骨形成が観察された。免疫抑制剤を使用することにより、同種移植では移植骨周囲に血行が保たれていることにより、早期に血管新生が起こり、それに続いて未分化間葉系細胞が骨芽細胞に分化し、新生骨形成を起こし、同種骨が新生骨に置換されていくことが判明した。
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