研究課題/領域番号 |
03454371
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
福田 悟 新潟大学, 医学部, 助教授 (30116751)
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研究分担者 |
冨田 美佐緒 新潟大学, 医学部, 助手 (60221438)
藤原 直士 新潟大学, 医学部附属病院, 講師 (70181419)
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キーワード | 低酸素 / 血管内皮(膜) / 血管外膜 / カルシウム / 血管平滑筋 |
研究概要 |
平成4年度は、1.低酸素性収縮に及ぼす外膜の影響. 2.血管に対する白血球の作用とフリーラジカルとの関連. 3.細胞内Ca^<2+>測定法の確立について検討した。低酸素時の反応は、前年度の結果より、腎動脈が低酸素にたいして鋭敏に反応することがわかったので、今回は腎血管を用いて低酸素時の収縮に及ぼす内膜および外膜の影響を検討した。実験群は1.内膜・外膜温存群、 2.内膜除去・外膜温存群、 3.内膜・外膜除去群である。低酸素負荷後、内膜・外膜温存群は急峻な収縮の後、弛緩し、持続する収縮を示した。内膜除去・外膜温存群では始めの急峻な収縮は見られず、持続する収縮を示した。一方、内膜・外膜除去群では低酸素による収縮が全く見られなかった。従って、低酸素時の収縮には内膜および外膜が関与することが明らかになった。また、低酸素による収縮はアスピリン及びインドメタシンにより抑制されたことから、低酸素時の収縮に一部cyclooxygenase関連のプロスタノイドが関与すると考えられる。外膜には神経線維末端のみならず種々の血液細胞(白血球などの貧食細胞)や繊維芽細胞が存在する。現在、外膜を構成するどの細胞から低酸素時の収縮物質が遊離されるかを検討中である。白血球の血管平滑筋に及ぼす影響について、ブタ脳血管を用いて検討した。ブタ脳血管に白血球を10^4〜10^6を作用させると脳血管は白血球により弛緩した。内皮を剥脱しておくとその弛緩作用は減弱する傾向にあった。一方、あらかじめ白血球をFMLPにて活性化させておくと、白血球による脳血管の弛緩は減弱した。この時、白血球の活性酸素を日本分光製細胞内化学発光測定システムCAF110型により測定すると、FMLP存在下の活性酸素は約2倍に増加していた。このことから、白血球からなんらかの弛緩物質がでていることが推測され、それは一部内膜を介することが示唆された。細胞内カルシウムとの関連については前年度購入した日本分光製CAF100を用い細胞内カルシウム測定法が確立されたので種々の条件下での細胞内Ca^<2+>動態について検討中である。
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