研究課題/領域番号 |
03454382
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
桑原 正明 東北大学, 医学部, 助教授 (50006780)
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研究分担者 |
吉川 和行 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (10133977)
高山 和喜 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (40006193)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 衝撃波 / 体外結石破砕 / 生体損傷 / キャビテーション / Simulation of Shock Wave Focusing / ESWL / Cavitation Bubbles / Fluid Flow Induced by Shock Wave |
研究概要 |
1)生体損傷発生機序に関する焦点領域の物理現象の解明:水中における衝撃波の収束状態を超音波診断装置で観察した結果、焦点部にはhyperechoic regionが観察され、時間と共に焦点遠位方向に移動することが判明した.これはキャビテーション気泡が流れによって移動するためと思われ、生体損傷には衝撃波による圧力損傷の他に、流体流れが関与していることを示した.この結果はコンピュターによる数値シミュレーションによっても裏付られた.また、衝撃波が焦点に至るまで、および焦点から分散する衝撃波の伝播経路でもキャビテーションが発生していることを明らかにした. 2)衝撃波による生体損傷のin situ、リアルタイムでの観察:兎耳介血管を対象として、実体顕微鏡下に高速ビデオカメラで観察した.衝撃波照射によって、静脈、動脈の順に損傷されたが、その過程においては血管の攣縮や拡張が起こることを示した.以前の腎血管損傷と比べると、耳介血管では衝撃波にかなり抵抗性であり、衝撃波による血管損傷は血管周囲支持組織の物理的な性状に依存することが示された. 3)流体物理的な検討結果と動物実験による生体損傷との関連についての検討:前述した焦点近傍における物理現象を実証するために動物実験を行い、予想したように、衝撃波が焦点に至るまで、および焦点から分散する衝撃波の伝播経路においても生体損傷が発生することを明らかにした. 4)上記結果をもとにした安全な体外結石破砕療法と衝撃波の癌治療への応用:誤射防止機構を装備した新型のピエゾ素子による体外結石破砕装置を実用化した.衝撃波の抗癌効果については衝撃波の単独療法よりも、抗癌剤との併用により、その効果が増強されることを明らかにしたが、臓器の血管構築によっては癌転移が促進される危険性を示した.
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