研究課題/領域番号 |
03454383
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小磯 謙吉 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (20010192)
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研究分担者 |
内田 克紀 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20223555)
赤座 英之 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (70010486)
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キーワード | 膀胱癌 / 超音波断層法 / 超音波内視鏡 / ESWL / MBT-2 / シスプラチン / 癌化学療法 |
研究概要 |
平成5年度は平成3年度、4年度の研究実績のまとめを中心におこなった。すなわち 1.内視鏡用細径超音波プローブの試作品(オリンパス社製UW-1W、外径9Fr.7.5MHz、メカニカルラジアル走査式)を用いて、臨床応用を行ないその有用性を検討した。対象は26名の膀胱腫瘍患者。腰椎痲酔下・経尿道的膀胱腫瘍切除術直前に25Fr.硬性膀胱鏡を膀胱内に挿入し、膀胱鏡の鉗子口よりプローブを挿入して腫瘍を含む膀胱内所見の超音波診断を行いその画像の評価を行なった。 結果:(1)正常膀胱粘膜は従来型プローブでも細径プローブでも描出は困難であった。(2)ほとんどの膀胱腫瘍を細径プローブを用いて描出できた。(3)超音波による深達度と組織学的深達度との比較ではその一致率は87.5%(21/24)であった。(4)腫瘍径が小さい場合、従来型プローブと比較して細径プローブの方がより鮮明に描出する事が可能であった。細径プローブでは径5mm以下の腫瘍でも描出可能であった。 以上の結果から、膀胱超音波内視鏡検査は膀胱腫瘍の評価にきわめて有用ではあるが、その利点をさらに生かす為には細径プローブを更に細径化し、しかも解像力を向上する必要があるものと思われた。 2.膀胱癌細胞に対する高エネルギー衝撃波(HESW)と抗癌剤の殺細胞性における併用効果について検討した。マウス膀胱癌細胞であるMBT-2の浮遊液をポリエチレンチューブに封入し、水槽内に固定した後衝撃波に照露させHESW単独あるいは抗癌剤との併用効果などを検討した。 結果:HESW単独で有意な抗増殖効果を得るには5000shotsを必要とし、5000shots以下では生存率は70%を切らなかった。抗癌剤の中でもシスプラチン(CDDP)とHESW5000shotsとの併用では抗癌剤単独投与と比較して成長抑制濃度を1/3以下に低下させることができた。しかもその併用時のabsorbanseはHESW 5000shots単独と比較しても著明に低下していた。 この結果からHESWが将来的に癌の集学的治療法のひとつとして発展する可能性が強く示唆された。
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