研究概要 |
特発性男性不妊症の原因を解明し,診断および治療に役立てる目的で,以下の分子生物学的研究を行なった。 1.男性不妊症患者末梢リンパ球の遺伝子分析 (A)Y染色体に在存すると予想されている精子形成支配遺伝子の異常の有無を調ベるため,40例の無精子症患者の末梢リンパ球遺伝子をY染色体特異DNA probeを用いてsouthernbiot法にて検討すると, 6例で同一DNA fragmentの欠先を認めた。この結果をもとに現在,精子形成支配遺伝子のcloningを行なっている。 (B)X染色体に存在するandragen 受容体(AR)遺伝子の異常の有無を調べるため,20例の無精子症患者の末梢リンパ球遺伝子をAR CDNA probe を用いsouthern biot法にて検討したが,欠失などの異常を認めなかった現在Polymerasz chain reaction-singlt strand conformation polymorphism(PCR-SSCP)法にて点突然変異の有無を検討中である。 (C)FSH受容体(FSH-R)の異常の有無を調べるため,human FSH-R cDNA probeを用い,10例の無精子症患者の末梢リンパ球遺伝子をsouthernblot法にて現在検討中である。 2.男性不妊症患者精巣組織でのAR遺伝子,FSH-R遺伝子発現の分析 (A)^<125>I-FSH reuptor essayにて10例の無精子症患者より得た生検精巣組織のFSH-R含量を測定し,4例でFSH-R含量の抵下も認めた。 (B)^3H-R1881を用いたAR reuptor assayを無精子症患者より得た生検精巣組織で現在行ない検討中である。
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