研究概要 |
本年度は、下記の3点につき主に研究を隊行し実績を得た。 1.ヒト前立腺癌(未治療例・内分泌療法施行例・再燃例)や比較対象として前立腺肥大症組織・正常前立腺組織を臨床例より集め,それぞれmーRNAを抽出し,Northern法により各種癌遺伝子等(cーmyc,cーfos,TGFーB1,TGFーα')の発現を検討した。 その結果は,cーmycとTGFーαは前立腺癌組織にのみ強く発現すること.TGFーB1は分化型の前立腺癌と前立腺肥大症に発現することがわかり.前立腺癌の癌化や分化に関わるこれら遺伝子の役割分担が示唆された。 2.男性ホルモン依存性を有するヒト前立腺癌細胞の各種遺伝子発現を同様にNorthern法にて検討した。その結果,この細胞では,cーmyc遺伝子,cーerbBー1遺伝子が発現するか,この発現は,アンドログンの存在や量とは無関係であることがわかった。 3.針生検等の微量材料より得られる微量RNAを用いての遺伝子発現を調べるため,微量RNAを用いての遺伝子発現の検討のため微量RNAの遺伝情報をPCR法を用いて増幅し,発現をPAGEゲルに流して検討するRNAーSSCP法を検付した。現在1Mg程度のRNAで遺伝子発現を調べられるようになった。 これらの成果は,日本泌尿器科学会(1992年4月)に発表予定である。また第4回,Charles Heidelberger 記念シンポジウム(1991年12月ロスアニジンルス)で発表した。
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