研究課題/領域番号 |
03454388
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
窪田 吉信 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (10106312)
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研究分担者 |
執印 太郎 横浜市立大学, 医学部, 講師 (80179019)
穂坂 正彦 横浜市立大学, 医学部, 教授 (30106330)
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キーワード | ヒト前立腺癌 / がん遺伝子 / がん抑制遺伝子 / 増殖因子 |
研究概要 |
ヒト前立腺癌組織における癌抑制遺伝子P53とRB遺伝子の構造異常の有無と、その異常の頻度をRNA-SSCP法にて分析した。 現在まで25例の前立腺癌症例と7例の前立腺肥大症、3例の正常ヒト前立腺組織につき、P53は全coding region、RB遺伝子はExon 1-23につき分析した。 その結果、P53についてはヒト前立腺癌で25例中4例(16%)に突然変異が見つかった。前立腺肥大症、正常ヒト前立腺の例10例では、変異は認めなかった。 4例の突然変異は3例が点突然変異、1例が塩基の欠失であり、変異の部位はExon3が1例、Exon4-7が3例であった。変異を認めた症例の新鮮例における臨床像との相関では、分化度別では低分化型で6例中3例、中分化型で8例中1例、高分化型で5例中0例と低分化前立腺癌で有為に頻度が高く、Stage別ではStageC,D群に10例中3例、B群で10例中1例と、進展度が高い症例に認められた。これらよりP53遺伝子の変異は、ヒト前立腺癌の臨床癌での後期のprogressionの過程にかかわることが示唆された。 RB遺伝子の変異はヒト前立腺癌のみ25例中4例(16%)に認められた。2例が点突然変異、2例が塩基の欠失であり、変異の領域はT抗原結合領域が2例と、その他の領域が2例であった。分化度別では特に傾向はなかったが、Stage別ではStageBで10例中2例の変異が認められ、P53よりは、より前のprogressionの過程に関与することが示唆された。また、再燃癌6例中2例にRB遺伝子の変異が見つかり、再燃現象への何らかの関与が示唆される。
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