研究分担者 |
須山 一穂 北里大学, 医学部, 助手 (70226611)
向井 伸哉 北里大学, 医学部, 助手 (30200231)
呉 幹純 北里大学, 医学部, 助手 (10195919)
川上 達央 北里大学, 医学部, 助手 (80195049)
青 輝昭 北里大学, 医学部, 助手 (30150907)
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研究概要 |
前立腺腫瘍シンチグラフィの臨床応用を目的とした基礎的検討を行っている。本法の確立にはヒト前立腺腫瘍に極めて強い親和性あるいは特異性を示す放射性薬剤の検索が必須である。本研究の遂行にあたっては,ヒト前立腺腫瘍の特徴をそなえた動物モデルの樹立,そして,放射性薬剤の体内動態を定性的,定量的に評価するべく手法が必要である。体内動態の評価に際しては,全身オ-トラジオグラフィを中心に検討してゆくが,先に提出した平成4年度研究計画調書(継続),当初計画との変更点の項目に記載した如く,平成3年5月に英国ブライト社に発注した,全身オ-トラジオグラフィ用クライオスタットOTーSEA型の製品化,輸送,通関などに時間がかかり,結局,該当研究施設に納品されたのは平成3年12月末であった。従って全身オ-トラジオグラフィに関しては,平成3年度下半期分の研究を遂行しているのが現状である。 ヒト前立腺腫瘍の動物モデルの樹立に関しては,ヒト前立腺癌細胞株LNCapを継代・培養の後,ヌ-ドマウス(balb/nuーnu,SLC,オス)への移植を試みてきたが,移植に成功し,現在,担LNCap腫瘍ヌ-ドマウスを継代中である。本LNCap腫瘍は病理組織学的に低分化型前立腺癌に相当するが,免疫組織化学的検討では,本腫瘍細胞内にヒト前立腺に極めて特異的なガンマ-セミノプロティンあるいは前立腺特異抗原の局在を確認している。すなわち,本LNCap腫瘍は,ヌ-ドマウス皮下に移植・継代された後も,ヒト前立腺癌としての性格を失っておらず,本研究の遂行にあたっては極めて理想的な実験モデルと考えられる。さらに,本LNCap腫瘍の特性を検索する目的で,ヌ-ドマウス仙骨部皮下に移植し一定の径に達した時点で6MeV電子線を2000〜5000cGyの範囲で照射,照射後,一定期間の後摘出,免疫組織化学的検討を行った。腫瘍細胞内の前立腺特異抗原等の局在は照射線量に反比例して減少した。
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