研究概要 |
I.ヒト表層上皮性・間質性卵巣悪性腫瘍由来の培養細胞株が産生する物質(S.Sekiya et al.:Arch.Gynecol.Obstet,284:103,1990) (1) 3種の培養細胞株(HOCー21,OMCー3,HACー2)が無血清(無蛋白)培養液BioーRich1(Flow Lab.,Dulbecco's minimal essential medium/Ham's F12,1:1)で継代培養可能となった。 (2) 産生された物質はCAー125,CA19ー9(OMCー3のみ),hCGーβ,progesterone(OMCー3,HACー2)などであった。 (3) その他prostaglandin E_2,組織plasminogen activator,サイトカインIFNーα,IFNーα,ILー2,ILー6,transferrinなど種々の生理活性物質が産生されていた(未発表)。 II.ヒト子宮内膜癌患者の腹水から54kDaα_1ーantitrypsin様物質の分離と精製(N.Tanaka et al.:Jpn.J.Cancer Res.,82:693,1991) (1) ヒト子宮内膜癌患者の腹水中に正常マウス肝培養細胞のDNA合成を促進する蛋白因子が存在した。 (2) Colum chromatographiesで精製,SDSーPAGEで単一の蛋白を分離した。 (3) 54kDaはヒトα_1ーantitrypsinとアミノ酸配列,isoelectric pointが類似し、plasminogen activator活性を阻害した。
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