研究課題/領域番号 |
03454396
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
神崎 秀陽 京都大学, 医学部, 助教授 (80135566)
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研究分担者 |
高倉 賢二 京都大学, 医学部, 助手 (10221350)
前田 道之 京都大学, 医学部, 助教授 (20027329)
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キーワード | ヒト子宮内膜 / 脱落膜化 / プロラクチン分泌 / M-CSF / LIF / アンドロゲン / ペプチダーゼ抗原 / ペプチダーゼ阻害剤 |
研究概要 |
手術摘出された性成熟期婦人の子宮から内膜組織を無菌的に採取し、細切後、collagenase及びDNase酵素処理して比重の差によって上皮細胞と間質細胞に分離した。間質細胞をプロゲステロン添加下で倍養すると形態学的に脱落膜様の分化が誘導される。これに伴って培養上清中のプロラクチン分泌も起こり、経時的に増加していく。このin vitroの子宮内膜分化即ち脱落膜化の系を用いて、生殖系で重要な役割をしていると現在考えられているマクロファージコロニー形成因子(M-CSF)、白血病抑制因子(LIF)、及び性成熟期の婦人においても分泌されている男性ホルモン(アンドロゲン)の、内膜細胞の分化に及ぼす影響に関して検討を行った。更に間質細胞に発現されているペプチダーゼ抗原であるアミノペプチダーゼNの阻害剤であるベスタチンの添加実験を行い、以下の結果を得た。 1.培養子宮内膜間質細胞はM-CSFを分泌しており、その分泌はプロゲステロンによって刺激、維持されている。M-CSF mRNAの発現はプロゲステロン添加で増強することがnorthern blotで明らかとなった。一方、腺上皮細胞もM-CSFを分泌しているが、その分泌は性ステロイドに影響されなかった。分泌されたM-CSFはマウスのcolony-forming assayでその活性も証明された。 2.LIFmRNAは腺上皮、間質細胞の両者に検出されたが、腺上皮に多く認められた。 3.テストステロン添加によって子宮内膜間質細胞からプロラクチンが分泌されることが明らかになった。この分泌はプロゲステロン添加によって相加的に増加した。 4.ベスタチン添加によって間質細胞からのプロラクチン分泌は用量依存性に減少した。
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