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1992 年度 実績報告書

ヒト胎児におけるREM/NREM睡眠及び覚醒状態の起源と個体発生過程に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03454398
研究機関九州大学

研究代表者

中野 仁雄  九州大学, 医学部, 教授 (40038766)

研究分担者 堀本 直幹  九州大学, 医学部, 助手 (40243927)
佐藤 昌司  九州大学, 医学部, 助手 (00225947)
前田 博敬  九州大学, 医学部, 講師 (20199631)
小柳 孝司  九州大学, 医学部, 助教授 (30136452)
キーワードヒト胎児 / 超音波電子スキャン / 眼球運動期 / 非眼球運動期 / ウルトラディアン・リズム / 睡眠 / 覚醒 / 胎児行動 / 中枢神経機能異常
研究概要

REM期とNREM期の交代性の出現をウルトラディアン・リズムを刻む生物時計とみなして、妊娠の進行に伴う両者の持続時間の推移について、折れ線回帰分析を用いて検討した。REM期の持続時間は妊娠29‐30週と37‐38週に、NREM期のそれは妊娠31‐32週と37‐38週に変極点が存在することがわかった。このことは、妊娠20週から40週へ至る期間、REM期とNREM期の制御機構は、各々異なる個体発生過程を辿り、軌を一にして妊娠37‐38週で両者ともに機能的に成熟した状態に達することを意味する。
一方、このようなヒト胎児における行動の生理的な発達過程の研究を続けている間に、子宮内で異常な動作を示す症例の存在を経験した。その後、個々の症例から得られた動作の評価を介して、出生前に病変部位の同定を試みた成績によれば、胎児期から既に中枢神経系病変を有する症例が存在することがわかった。そこで、子宮内で認められる異常な動作と出生後に明らかとなった病変部位とを対比することによって、胎児期に中枢神経系機能異常ならびに病変の局在をどの程度まで診断できるかを検討した。その結果、1)脊髄あるいは延髄〜橋に病変を有する例では、子宮内における動作の異常から病巣の解剖学的な部位を推定できた。2)脳全体に瀰漫性に病変を有する例では、動作の異常を検出できたが病変部の特定は困難であった。3)大脳半球に限局した病巣を有する例では動作に異常は認められなかった。4)異常動作が一過性に認められた例では、中枢神経系に異常は認められなかった。以上の所見から、胎児の中枢神経系は妊娠末期に限っても子宮内から全て機能しているわけではなく、そのために病巣が限局する部位によって出生前に診断可能なものと不可能なものが存在することが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Koyanagi T: "The temporal relationship between the onset of rapid eye movement period and the first micturition thereafter in the human fetus with advance in gestation." Early Human Development. 30. 11-19 (1992)

  • [文献書誌] Horimoto N: "Changes in pupillary diameter in relation to eye‐movement and no‐eye‐movement periods in the human fetus at term." American Journal of Obstetrics and Gynecology. 167. 1465-1469 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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