研究課題/領域番号 |
03454404
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小松崎 篤 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (50010195)
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研究分担者 |
田中 英和 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50163556)
辺土名 仁 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50199452)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | 聴神経腫瘍 / 前庭感覚器 / 前庭神経節 / I型.II型有毛細胞 / 内耳道拡大 / 骨硬化度 / 炭酸カルシウム |
研究概要 |
第8神経病変、特に内耳道内病変の代表的疾患である聴神経腫瘍を中心に、機能と形態の相互関連について研究を行い、次の結果を得た。 1.聴神経腫瘍の起源神経(主として下前庭神経と、一部上前庭神経)とその末梢感覚器である外側、前、後半規管、および耳石器官の感覚細胞との間に病変上の因果関連はなかった。 2.前庭感覚細胞には、リポフスチン顆粒の蓄積や支持細胞の濃縮変性などがみられたが、これらは加齢変化と考えられ、非特異的所見と思われたが、基底膜下や上皮下有髄神経線維周囲の縞状構造物は、fibrous long spasing collagen(FLS)と周期が同じで、これらは、腫瘍により前庭神経節が変性したことと関連があると考えられた。 3.従来、ほとんど報告のない神経杯と、I型有毛細胞との間の不規則な膜肥厚は、全例に認められ、腫瘍との関連が高いものと思われた。 4.ヒト成人では報告のない神経杯が、不完全で遠心性神経線維終末が直接に接するI形有毛細胞を記載し報告し、これは従来のI型およびII型有毛細胞の定義に一石を投じるものである。 5.腫瘍により内耳道が拡大する場合、内耳道底より内耳孔付近で、より拡大が著しい理由として内耳道の骨硬化度に差があることが推定され、骨組織の炭酸カルシウム含有量をCTファントムを用いて検討した。その結果、内耳孔付近では、内耳道底より炭酸カルシウム含有量の低下が示され、骨硬化度に差のあることが内耳孔付近で、より拡大が著明になる一因と考察した。
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