研究課題/領域番号 |
03454405
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
柳原 尚明 愛媛大学, 医学部, 教授 (40025581)
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研究分担者 |
小澤 哲夫 愛媛大学, 医学部, 助手 (70153525)
湯本 英二 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (40116992)
暁 清文 愛媛大学, 医学部, 助教授 (00108383)
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キーワード | 顔面神経 / ベル麻痺 / ハント症候群 / 単純ヘルペスウイルス / 水痘帯状疱疹ウイルス / レーザードップラー血流計 |
研究概要 |
1)ハント症候群11例とベル麻痺13例の中耳粘膜よりウイルス坑原の同定を行った。ハント症候群の2例に水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)坑原を認め、VZVによるウスルス性間経炎であることが確認された。 2)末梢性顔面神経麻痺症例に於てMRIを施行し、Gd-DTPA投与による造影増強効果を検討した。ベル麻痺の89.5%、ハント症候群の100%に膝神経節の造影増強を確認した。更に、内耳道底、迷路部から鼓室・乳突部まで広範囲に造影増強を認めた例もあった。正常人と比較することにより、ベル麻痺、ハント症候群の病巣は側頭骨内顔面神経の広い範囲にあるが、主病巣は膝神経節であることを明らかにした。 3)手術時に、側頭骨内顔面神経を電気刺激し、顔面表情筋の誘発筋電図を記録する術中診断法を開発した。この方法により、アブミ骨が電気刺激に同調して動くことを記録し、神経損傷の程度や部位診断に有用であることを明らかにした。 4)HSVI型(KOS株)をマウスの耳介に接種し一過性の顔面神経麻痺モデルを作製した。この動物において、病理組織学的、免疫組織学的方法により、ウイルス性顔面神経炎を疑わせる所見を見いだした。また、間接蛍光抗体法により麻痺側顔面神経の膝神経細胞、衛星細胞、シュワン細胞、神経線維よりHSV抗原が確認された。この動物モデルの麻痺の経過や病理所見はベル麻痺の病理所見の報告と酷似しており、HSVの感染がベル麻痺の原因の一つであることを初めて動物実験で明らかにした。 5)顔面神経減荷術及び聴神経腫瘍の術中のレーザートップラー血流計を用い、顔面神経の血流量を測定した。今後症例を増やし結果を考察する。また、家兎を用いて顔面神経栄養血管の選択的遮断を行い、虚血による末梢性顔面神経麻痺モデルを作製し、血流動態に関して引続き研究している。
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