研究課題/領域番号 |
03454405
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
柳原 尚明 愛媛大学, 医学部, 教授 (40025581)
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研究分担者 |
村上 信五 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (80157750)
湯本 英二 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (40116992)
暁 清文 愛媛大学, 医学部, 助教授 (00108383)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | 顔面神経 / ベル麻痺 / ハント症候群 / 単純ヘルペスウイルス / 帯状疱疹ウイルス / レーザードップラー血流計 |
研究概要 |
1.動物モデルの作製 1)単純ヘルペスウイルス(HSV)1型をマウスの耳介と舌に接種し一過性の顔面神経麻痺モデルを作製した。この動物において、病理組織学的、免疫組織学的方法により、ウイルス性顔面神経炎を疑わせる所見を見いだした。また、間接蛍光抗体法を用い麻痺側顔面神経にHSV抗原を確認した。この動物モデルの麻痺の経過や病理所見はベル麻痺の病理所見の報告と酷似しており、HSVの感染がベル麻痺の原因となりうることを初めて動物実験で明らかにした。 2)上記動物モデルで顔面神経麻痺回復後、顔面神経節および三叉神経節においてHSVの潜状感染が成立していることを、共生培養法を用いて証明した。 2.臨床例的研究 1)ベル麻痺およびハント症候群患者のペアー血清でヘルペスウイルス抗体価の変動を、ELISA法を用い検討した。ハント症候群では帯状疱疹ウイルス(VZV)に対する抗体価は有意に変動したが、ベル麻痺ではHSVの抗体価は高いものの、その変動は有意ではなかった。 2)末梢性顔面神経麻痺症例においてMRIを施行し、Gd-DTPA投与による造影増強効果を検討した。ベル麻痺の89.5%、ハント症候群の100%に膝神経節の造影増強を確認した。正常人と比較することにより、ベル麻痺、ハント症候群の病巣は側頭骨内顔面神経の広い範囲にあるが、主病巣は膝神経節であることを明らかにした。 3)顔面神経減荷術及び聴神経腫瘍の術中にレーザードップラー血流計を用い、顔面神経の血流量を測定した。膝神経節及び錐体部で血流が多く、水平部及び垂直部で血流の少ない傾向があった。また神経鞘を開放すると血流は低下し、浮腫の強い箇所では血流は低下していた。
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