研究課題/領域番号 |
03454410
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
枝松 秀雄 金沢医科大学, 耳鼻科, 助教授 (50151981)
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研究分担者 |
小川 明 自衛隊中央病院, 耳鼻科, 部長 (40107280)
松平 登志正 金沢医科大学, 耳鼻科, 講師 (50131032)
高野 正美 金沢医科大学, 耳鼻科, 講師 (60187987)
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キーワード | Gerbil / Aging / Cochlear nucleus / Vacuolation / Presbycusis / Auditory brainstem response / Cochlear microphonics |
研究概要 |
本年度の研究の目的は、スナネズミ(Mongolian gerbil)の蝸牛神経核でみられる経時的な変性が聴覚系に及ぼす影響を、形態学的方法と電気生理学的手法とで解明することである。 【今年度の研究結果】 平成3年度の研究により、スナネズミの蝸牛神経核内に生後4ケ月以降に空胞変性が出現し、年令とともに変性は進行することが確認された。本年度はこれを更に発展させるため、次の3点を主体に研究を進めた。 1.この変性により聴覚機能が、蝸牛神経核内のどの部位においてどの程度障害を受けるかを明らかにするため、電気生理学的に定量的評価(Auditory brain stem reaponseとcochlear microphonicsの記録)を行ない、ヒトで見られる老人性難聴よりも高度の障害であることが確認された。 2.聴覚系の他の部位(末梢受容器の内耳)にも同様の変性が見られるかを確認するため、内耳のセロイジン標本を作製した。内耳の障害は、蝸牛神経の病変とは異なり、空砲変性の様な大きな変化は認められなかった。 3.変性の発症因子として、高血圧の動物モデルSHR-SP(近畿大学岡本構造名誉教授の提供を受けた)を検討し、血管病変との比較を行なった。 【今年度の学会発表】 XXI International Congress of Audiology.(平成4年9月盛岡)にて、神経核内の病変の程度と聴性の誘発電位との関連について報告した。また、Midwinter Research Meeting of ARO.(平成5年2月Florida,USA)にて、SHR-SPラットで生じる変性との違いを発表した。
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