研究課題/領域番号 |
03454410
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
|
研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
枝松 秀雄 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (50151981)
|
研究分担者 |
宮内 博史 金沢医科大学, 医学部, 講師 (10247455)
松平 登志正 金沢医科大学, 医学部, 講師 (50131032)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1993
|
キーワード | Gerbil / Aging / Auditory function / ABR / Cochlear nucleus / Neural degeneration |
研究概要 |
平成5年度は、過去2年間に得られた研究結果の確認のための追加実験と総括を行い、次の成果を得たので論文にまとめる。 1.電気生理学的実験の結果:聴覚系の機能の評価として、聴性脳幹反応(ABR)と蝸牛のマイクロフォン電位(CM)の記録で行なった。中枢でも末梢においても聴覚機能は生後4ケ月頃までには成熟し、約1年頃より低下し始めることが確認された。 2.形態学的実験の結果:光顕(H-Eとトルイジンブルー染色)と電顕(TEM)の所見より、中枢での変化は蝸牛神経腹側核にほぼ限局した空胞変性であって生後4月以降に出現しており、加齢と共に高度となる。一方、内耳の変性は個体差が多く、中枢の様な一定の傾向が見られなかった。 3.種特異性の検討:スナネズミの蝸牛神経核での変性が種特異的なものかの確認として、Wistar系ラットとSHR-SP(脳卒中易発作性高血圧ラット)を用いて検討した。2年以上の高齢例でも、200mmHgの高血圧例でも変性は見られず、スナネズミに固有の変性と考えられた。 4.中枢神経系の変性のモデルとしてのスナネズミ:アルツハイマー病などヒトの中枢神経系の変性疾患の病因は現在不明であるが、スナネズミの蝸牛神経核での経時的な変性を一つの動物モデルとしてその形態と機能の変化を研究することにより、生理的な老化による障害と病的な変性の差異を調べる可能性が明らかになった。
|