研究概要 |
今回申請者らは,早期緑内障,神経眼科疾患の視野障害をより敏感かつ特異的にとらえるために自動静的フリッカ-視野計の開発を行った。INTERZEAG社製自動視野計OCTOPUS1ー2ー3に申請者らがINTERZEAG社に特別に依頼したリモ-トコントロ-ルインタ-フェ-スを接続することにより,視野計の外部コンピュ-タ-からの制御を可能とした。次にIBMパ-ソナルコンピュ-タPS/2mode190上で制御用プログラムを開発し,インタ-フェ-スを介しOCTOPUS1ー2ー3を制御することにより静的自動フリッカ-視野測定を可能とした。 この測定プログラムを用い,各年齢別正常被検者58人を対象に測定を行い,自動静的フリッカ-視野の正常値を求めた。今回の測定条件(視標輝度4000asb,視標呈示時間1秒,背景輝度31.5asb)では,静的フリッカ-視野は,ほぼ平坦な形状を呈した。平均感度は加齢の影響をうけ,年齢と共に低下する傾向を認めた。さらに平均感度の標準偏差,短期変動は明度識別視野の約2倍を呈した。フリッカ-視野測定中に行った被検者の応答に対する疑陽性率,疑陰性率は良好であり,検査の信頼性は良好であった。 本年度は,さらに今回得られた正常被検者の測定結果を基礎デ-タとして,緑内障患者,神経眼科疾患などの多数の臨床症例を対象として,自動静的フリッカ-視野測定を行う。また,従来の明度識別視野測定による結果と比較を行い,今回開発した自動静的フリッカ-視野計の有用性について検討する。
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