骨代謝調節機構-とくに細胞間相互作用による調節

1993 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 03454423
• 研究機関: 明海大学
• 研究代表者: 久米川 正好 明海大学, 歯科部, 教授 (40049367)
• 研究分担者: 手塚 健一 明海大学, 歯学部, 助手 (50236973) ; 羽毛田 慈之 明海大学, 歯学部, 講師 (90164772) ; 中原 皓 明海大学, 歯学部, 教授 (70049344)
• キーワード: サイトカイン / 骨細胞 / 破骨細胞形成 / 破骨細胞機能

研究概要

本年度は主として以下の四項目について結果を得たので報告する。
1.破骨細胞の分離とその特異蛋白をコードしている遺伝子の分離:この成果とししてOsteoponitin^<4)>、Oc-II^<4)>、破骨細胞に存在する特異的なたんぱく分解酵素、MMP-9が分離された。その他数個の遺伝子を分離、現在解析中である。
2.この分離破骨細胞を用いて破骨細胞に特異的な単抗体の確立:この抗体は融合過程の破骨細胞にのみ存在する抗原を認識することから、融合因子である可能性もあり、現在抗原を精製中である。分子量12万位の抗原分離に成功しており、sequence中である。
3.骨細胞の分離の破骨細胞形成への作用:骨組織中に多数存在している骨細胞に焦点をあて、この分離法を確立した。純度95%以上の細胞を16日齢ニワトリ胚頭頂骨から分離した。この細胞が破骨細胞の形成を促進することを明らかにした。この研究については現在論文作成中である。またこの骨細胞を中心課題とした科学映画を制作した(ヨネプロ制作)。
4.骨細胞が産生している破骨細胞活性の抑制因子の分離と精製:分離骨細胞が産生している破骨細胞の活性抑制因子を我々の教室で確立した骨吸収活性の評価系を用いて分離精製に成功、現在そのアミノ酸構成についてsequence中である。

研究成果

• [文献書誌] Masayxoshi Kumegawa: "Prostaglandin F2 a stimulates proliferation of clonal osteoblastic MC3T3-El cells by up-regulation of insulin-like growth fatctor-I receptrs." The Joumal of Biological Chemistry. 266. 21044-21050 (1991)
• [文献書誌] Masayoshi Kumegawa: "Identification of osteopontin in isolated rabbit osteclasts." Biochemical and Biophysical research communications. 186. 911-917 (1992)
• [文献書誌] Masayoshi Kumegawa: "A simople method to assess osteoclast-mediated bone resortion using unfractionated bone cells." Bone and Mineral. 17. 347-359 (1992)
• [文献書誌] Masayoshi Kumegawa: "Insulin-like growth factor-I supports formation and activartion of ostroclasts." Endocrinology. 131. 1075-1080 (1992)
• [文献書誌] Masayoshi Kumegawa: "Prostaglandin E2 in directly stimulates via stromal cells,but directly inhibits,osteoclastic cell formation" J.Mrikai Univ.Sch.Dent.22. 56-66 (1993)
• [文献書誌] Masayoshi Kumegawa: "Molecular cloning of a possible cysteine proteinase prediminantly expressed in osteoclasts" The Journal of Biological Chemistry. 269. 1106-109 (1994)
• [文献書誌] 久米川正好: "最新内科学体系14 代謝性骨疾患:骨のリモデリングの機構." 中山書店, 7 (1993)
• [文献書誌] 久米川正好: "骨・カルシウム代謝の調節系と骨粗鬆症 破骨細胞の形成と機能" 羊土社, 11 (1994)