研究課題/領域番号 |
03454436
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
阿部 悦子 昭和大学, 歯学部, 助教授 (70119147)
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研究分担者 |
金 成河 昭和大学, 歯学部, 助手 (10205049)
宮浦 千里 昭和大学, 歯学部, 講師 (20138382)
新木 敏正 昭和大学, 歯学部, 講師 (90138420)
須田 立雄 昭和大学, 歯学部, 教授 (90014034)
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キーワード | 1α,25(OH)_2D_3 / 補体第3成分 / C3 / C3レセプター / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 骨吸収 |
研究概要 |
1991年、我々は活性型ビタミンD[1α,25(OH)_2D_3]がin vitroで骨芽細胞に働いて、補体の第三成分(C3)を産生誘導することを報告した[FEBS Lett.,285:21(1991);Endocrinology,129:2774(1991)]。その後、活性型ビタミンDはin vivoの系においてもC3のmRNA発現と蛋白質合成を誘導し、産生されたC3蛋白質はcalvariaではperiosteumとcranial stuture、tibiaではmetaphysisに局在することを明らかにし、C3が骨吸収あるいは骨形成に何らかの役割を持っている可能性を示した[Endocrinology,131:2468(1992)]。そこで、今回in vitroの破骨細胞形成を用いて骨吸収過程をC3の役割を検討した。 【方法】骨髄細胞培養系に活性型ビタミンDを添加して6日後にC3蛋白及びC3レセプターの局在を免疫染色で調べると共に、C3抗体及びC3レセプター抗体を活性型ビタミンDと共に添加して、破骨細胞形成に与える効果を検討した。 【結果】(1)C3蛋白陽性の細胞とC3レセプター陽性の細胞は、一致した。即ち、マクロファージ様細胞と単核及び比較的小型の数核からなるTRAP陽性細胞はC3レセプターを持つが、大型のTRAP陽性多核細胞は陰性であった。(2)C3抗体あるいはC3レセプター抗体を活性型ビタミンDと同時に添加すると活性型ビタミンDにより誘導される破骨細胞形成は完全に抑制された。(3)骨髄細胞のメチルセルロース培養系にマウス血漿から精製したC3蛋白、M-CSF並びに活性型ビタミンDを添加すると、活性型ビタミンDはM-CSFの増殖促進作用を抑制したのに対し、C3はM-CSFの作用を増強することが判明した。 これらの一連の実験結果から、骨吸収系において活性型ビタミンDにより産生されるC3は、破骨細胞形成の初期段階における前駆細胞の増殖と分化に関与していると結論された。
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