研究分担者 |
季 昌一 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (60220795)
高橋 俊介 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (60206810)
冨川 重治 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (40197918)
塗々木 和男 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (90139577)
伊藤 春生 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (10084716)
|
研究概要 |
平成3年度の研究の基本は,咬筋興奮ー収縮連関を担う筋小胞体(SR)のCa動態と筋原線維のCa感受性が,活性酸素ラジカルでどのように変化するか分子薬理学的に把握することにあった。したがって,麻酔犬の摘出咬筋から単離精製した筋鞘(SL)とSRおよび筋原線維の各機能に対する活性酸素ラジカルの影響を検討し,Caとの相互の連携を考察した。これまでの研究経過は以下のように要約できる。 1.活性酸素ラジカルは,SRのCa流出速度を増加させ,SR内総Ca量とCa流入速度を減少させる。 2.活性酸素ラジカルは,筋原線維のCa感受性(CaーATPase活性を指標に,pCaーATPase曲線から解析)に影響を与えない。 3.活性酸素ラジカルは,SLのNaーCa交換活性を増加させる。 4.本研究に用いたin vitroの活性酸素ラジカル発生系に関する結果(ESRによる解析) 1)xanthineーxanthine oxidase反応はO_2を発生させ,また,SOD在下でH_2O_2発生量を増加させる。 2)用いたフェントン反応(H_2O_2+FeSO_4)は,特異的 OH発生系であった。 以上の結果を権察し,次のような新しい知見を開拓できた。“O_2あるいはこれに派生する OHは,咬筋SRのCaフラックスとの連携で咬筋細胞内Ca過剰負荷を成立させる。これが虚血性強縮の主要原因である。
|