研究課題/領域番号 |
03454442
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
若野 洋一 徳島大学, 歯学部, 教授 (10028722)
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研究分担者 |
片岡 正俊 徳島大学, 歯学部, 助手 (20224438)
永田 俊彦 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (10127847)
石田 浩 徳島大学, 歯学部, 助教授 (90127803)
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キーワード | ホスホリパーゼA_2 / インターロイキン1β / 腫瘍壊死因子α / 腫瘍増殖因子β / 歯肉線維芽細胞 / 歯周炎 / 歯肉溝浸出液 |
研究概要 |
プロスタグランジン、ロイコトリエンをはじめとするエイコサノイド及び血小板活性化因子等の炎症性メディエーター産生の律連酵素であるホスホリパーゼA_2(PLA_2)は、一般に、外分泌型の消化酵素として作用する膵臓型(I型)と、各種炎症反応により内分泌される非膵臓型(II型)が存在することが知られている。本年度我々は、それぞれの抗PLA_2抗体を用いて以下の事を明らかにし発表した。 (I)ラット歯肉線維芽細胞培養系においてインターロイキン1β(IL-1β)によりII型PLA_2が誘導、分泌した。(FEBS LETTERS) (2)同培養系で腫瘍壊死因子α(TNF2)はIL-1β同様にII型PLA_2を誘導、分泌した。このTNF2はIL-1βによる作用を相乗的に上昇させたが、腫瘍増殖因子βは逆に抑制した。(J.Periodontal Res.) 以上のサイトカインによるII型PLA_2誘導の動態は歯周病発生と進行におけるものと一致していた。そこでII型PLA_2が臨床的に歯周病の進行に関与しているか否かを調べる目的で末治療患者の歯肉溝浸出液(GCF)及び歯肉組織をサンプルとして現在まで以下の結果を得ている。 (1)末治療患者の約半分のGCF中にPLA_2活性が認められ、歯周治療により臨床的改善に相関して同活性も有意に減少した。 (2)GCF中のPLA_2活性は同部より採取した歯肉組織中と相関した。 (3)RIAにより歯肉組織中のPLA_2はII型PLA_2に属していた。 以上の結果は現在投稿中である。また、本年度我々は共同研究者とともに開発したII型PLA_2のCDNAをプローブして次の事を計画実行中である。 (1)ノーザン法による炎症及び非炎症歯肉組織中のMRNAの測点。 (2)in situ におけるII型PLA_2の炎症歯肉組織中の局在。以上の事により更に歯周病発生及び進行における役割を明らかにする。
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