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1991 年度 実績報告書

超塑性チタン合金による補綴物の成形に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03454447
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

奥野 攻  東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (50014080)

研究分担者 浜中 人士  東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (10013955)
キーワードチタン合金 / 超塑性 / 義歯床 / 補綴物
研究概要

チタンの優れた生体適合性,耐食性,機械的性質など歯科用合金として理想的であるが,鋳造するには大きな問題点が数多く残されている.しかし,Tiー6A1ー4V合金の超塑性を利用すればこれら鋳造上の問題点をほとんど回避できると考えられ,航空機の部品等の製造にすでに広く利用されている.本研究はこのTiー6A1ー4V合金の超塑性成形法を歯科補綴物の成形にも応用することを目的とした.歯科補綴物の形態は大小の球面の複合や組み合わせでできていると考えられる.そこで本年度はアルゴンガス圧バルジ試験法で超塑性Tiー6A1ー4V合金を超塑性により種々の径で半球状に膨らませ,成形温度,アルゴンガス圧や加圧時間と成形性との関係を調べ,金属床への応用の可能性を検討した。この結果,成形度は成形温度が高いほど早くなり,効率から考え成形温度は高いほど良かった。しかし圧力容器の耐圧から950℃が上限と考えられた。型の径が38mmではアルゴンガス圧6kg/mm^2で30分保持するとTiー6A1ー4V合金は型の底面までほぼ完全に成形され,床の成形ではこの条件で大体の成形が可能であることがわかった。型の径が最小だった3mmではアルゴンガス8kg/mm^2での1時間の保持で成形度0.5に達した。3mmの型ではこれ以上加圧しても成形はほとんど進行しなかった。全属床では径3mmの膨らみは,口蓋のディンプル部分の成形に相当するから,成形度0.5でも十分であると考えられた。また型の径が11mm以上では成形度は加圧力や時間と共に上昇するが成形度が1.75を越えると成形体頂点部分が薄くなり,破れが生ずるものが多かったが,床ではこれほどの成形は不要と考えられた。これらの結果から全部床などは超塑性により十分にしかも容易に成形できる事が判った。また,全部床の成形では950℃で8kg/mm^2のアルゴンガスによる1時間の成形が適当であると結論された。

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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